兵庫県明石市は22日、2021年度から小中一貫校を除く全12市立中学校で、1年生に35人学級を導入すると発表した。中学進学時にいじめや不登校など問題行動が増える中1ギャップの解消や、きめ細かな指導を可能にする環境整備が狙い。国が定めた基準(小2~中3は上限40人)以下の少人数学級を中学で導入するのは兵庫県内で初めてという。
市は21年度当初予算案に教職員14人を加配する経費約9150万円を盛り込む。今後、段階的に中学2、3年にも拡大したい意向。
同市は独自に全28市立小学校の1年生で30人学級を導入している。市内初の小中一貫校として今春開設する「高丘小中一貫教育校」は全国で初めて全学年30人学級とする。
中学の少人数学級を巡っては昨年、先行する小学校に加えて中学を含めた取り組みを求める文部科学省と、財政負担などを指摘する財務省が折り合わなかった。文科省の担当者は「今後の検討課題」としている。
泉房穂市長は会見で「(判断に)新型コロナウイルスの影響もないとはいえないが、基本的に現行の学級編成は多すぎる。本来やるべき国に先んじて導入する」と述べた。(小西隆久)