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大学入学共通テストで出題された「江戸の妖怪革命」を手にする香川雅信さん=姫路市本町、県立歴史博物館
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大学入学共通テストで出題された「江戸の妖怪革命」を手にする香川雅信さん=姫路市本町、県立歴史博物館
香川さんの著作が採用されたテスト問題
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香川さんの著作が採用されたテスト問題
神戸新聞NEXT
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 今月16日に実施された大学入学共通テストの国語に、「妖怪博士」の異名を持つ兵庫県立歴史博物館(姫路市)学芸課長、香川雅信さん(51)の著作「江戸の妖怪革命」が使われた。問題が公開されると、その面白さがネットで話題を集め、注文が殺到。早々に増刷が決まった。注目の背景には、「このご時世」もあるようで-。(井原尚基)

 香川さんは高松市出身。高校時代、妖怪研究の第一人者、国際日本文化研究センター(京都市)の小松和彦前所長にあこがれ、小松さんが教えていた大阪大文学部で師事した。

 妖怪をテーマにした博士論文で、博士号を取得。当時、国内では例がなかったといい、日本初の「妖怪博士」に。論文を基にした「江戸の妖怪革命」を2005年に刊行、13年に角川ソフィア文庫に収録された。共通テストでは、国語の第1問に序章の一部が使われた。

 中世、妖怪は人々の理解を超えた現象に意味を与える存在だったが、江戸期に入ると娯楽の対象になり、明治以降は人間の内面を投影するよう変化していったことなどが記されている。

 香川さんは「今では妖怪といえば、さまざまな姿や形をした『キャラクター』という考え方が当たり前だが、江戸中期までは外見より意味が重要な記号としての存在だった」と解説する。

 大学入試センター試験に代わって初めて導入された共通テスト。出題傾向が注目された中での採用となった。「若気の至りで書いた文章。私自身は解くどころか、まだ客観的に問題文を読めてもいない」と香川さん。「今ならもっと具体的な事例を挙げ、説得力のある書き方ができたはず。全面的に書き直したのを読んでもらいたいというのが正直なところですね」

 疫病退散を願って拡散された江戸期の「アマビエ」から現代のアニメ「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」まで、妖怪への関心がこれまでになく高まる。ネットでは「テストの問題ということそっちのけで読み込んだ」「続きが気になってしかたがない」など、読み物としての魅力を語るコメントや、「コロナ禍でタイムリーな内容」との評価が多く寄せられている。

 香川さんは「現実世界での制約が多い今、現実離れした妖怪が必要とされているのではないか」と分析。受験生には「誰もが当たり前だと思っていることを問い直すのが大学からの研究。来る大学生活に向け、その習慣を付けてほしい」とエールを送る。

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