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いぶし瓦の花器を披露する興津祐扶社長。鬼師たちの技術が庭を美しく彩る=南あわじ市津井、タツミ
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いぶし瓦の花器を披露する興津祐扶社長。鬼師たちの技術が庭を美しく彩る=南あわじ市津井、タツミ
高い吸水性、根腐れ防ぐ(南あわじ市津井、大栄窯業)
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高い吸水性、根腐れ防ぐ(南あわじ市津井、大栄窯業)
うわぐすりで色鮮やかに(南あわじ市津井、大栄窯業)
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うわぐすりで色鮮やかに(南あわじ市津井、大栄窯業)

 日本を代表する瓦産地の兵庫県淡路島で、屋根以外の使い道を探る動きが活発だ。プランターや土の代用品といった園芸素材をはじめ、一部業者は雑貨などの商品化も進める。洋風建築の普及などで瓦の出荷量は低迷するが、新型コロナウイルスの感染拡大で家にいる機会が増える中、暮らしを彩る素材として消費増を図る。(佐藤健介)

 「瓦は古来、庭園にも頻繁に使われていた素材。地面に埋め込む『敷き材』となり、いぶしの渋みや光沢が緑を引き立てていた」。江戸時代から瓦作りを継承する「タツミ」(南あわじ市津井)の興津祐扶(ゆうすけ)社長(44)は説く。

 同社は「鬼師(おにし)」と呼ばれる職人を多く擁し、屋根の端に飾る鬼瓦を生産してきた。需要減に悩む業界の活性化に向け、十数年前からはガーデニングなどへの応用を模索。鬼師らがへらで瓦の土を成形し、プランターなどをこしらえている。

 デザインは、かめやつぼのような形や四角柱など多彩。模様を彫り込んだり、焼きむらを付けたりとオーダーに応じた演出も可能で、鬼師の熟練の技が生かされている。「瓦職人は“住の地場産業”の担い手であり、暮らし全般に奉仕するのが使命」と興津社長は強調する。

 さらにタツミを含む複数の業者が、瓦の製造過程で生じた端材を、土の代用品として販売。瓦製造会社「大栄窯業」(同)は、規格外となった瓦をリサイクルし、花器に詰めている。道上大輔社長(47)は「瓦は植物の成長に必要な酸素や水を吸収しやすく、根腐れが防げる」と特長を話す。

 同社はコースターや箸置き、ゴルフパターなど瓦を用いた斬新なアイテムを次々と開発。園芸品もその一つで、うわぐすりでつややかに仕上げた鉢など、女性の瓦職人が手掛けたオリジナルの小物類も展示する。

 「瓦が持つ土のぬくもりを求める人はいる。新型コロナで家にいる時間が長くなると、その傾向が強まるのでは」と変化を感じる道上社長。「瓦の用途について新たな可能性を探ることが、瓦屋根を守ることにもつながる」と期待する。

■雑貨やインテリアにも 震災後、窯元激減用途拡大探る

 姫路城主の縁者が約400年前に淡路島を所領とした際、播州の瓦職人を呼び寄せて瓦を焼かせたのが起源とされる淡路瓦。三州(愛知県)、石州(島根県)と並び「日本三大瓦」の一つに名を連ねる。主産地の南あわじ市津井地区などは良質な粘土に恵まれ、そこから生み出される瓦は断熱効果や防水性、遮音機能、耐火性などに優れている。

 1995年の阪神・淡路大震災後は、業界を挙げて耐震機能を強化し、軽量化や施工法の改良も進んだ。だが建物の柱や壁など構造の強度の問題を抜きに「瓦は地震に弱い」とするイメージや、住宅の洋風化に押され窯元は激減。南あわじ市内の出荷量は震災前の5分の1に落ち込んでいる。

 近年は、瓦同士を強固に組み合わせた「防災瓦」が開発されているほか、各業者が創意工夫し、インテリアやスポーツ用品、アクセサリーなどにまで用途を広げている。(佐藤健介)

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