兵庫県警は3日、昨年10月に行方不明者の捜索中に失踪し、2日後に発見された警察犬「クレバ号」(2歳、オス)について、2月4日から現場復帰させると発表した。保護された後、3カ月間訓練し、以前より指示に従うようになったという。
クレバ号は全長約120センチのシェパード。昨年10月25日、兵庫県福崎町の山中で行方不明者を捜索中、鑑識課員が持っていた約5メートルのリード(引き綱)を振り切って失踪した。2日後、失踪地点近くで、木にリードが絡まり動けなくなっているところを発見され、無事保護された。
その後は、神戸市須磨区の県警直轄警察犬訓練所で再訓練を実施。訓練では「待て」「持ってこい」といった指示に従う基本動作を再び教えるなどした。山中や街中、ほかの警察犬の出動現場にも連れて行った。体重は約31キロから2キロほど減り、顔立ちがたくましくなったという。
県警は訓練士や獣医師からも意見を聞き、落ち着いており体調も万全なことから復帰が可能と判断した。クレバ号はデビュー後1年足らずで行方不明者を4回発見するなど、もともと優秀な警察犬。県警鑑識課は「これまで以上に活躍してほしい」と期待する。
県警によると、クレバ号が保護された後、全国から県警に「無事に見つかってよかった」「これからも警察犬として活躍することを応援しています」など激励のメールや電話が約90件届いていた。
県警は今回の失踪を受け、出動する警察犬に衛星利用測位システム(GPS)が付いた首輪を装着しており、クレバ号にも同様の措置を施す。(堀内達成)
