総合 総合 sougou

  • 印刷
神戸市バスの先頭に取り付けられた警報装置のカメラ。歩行者や車両の接近を検知すると、運転席で警報音が鳴る=神戸市兵庫区御崎町1
拡大
神戸市バスの先頭に取り付けられた警報装置のカメラ。歩行者や車両の接近を検知すると、運転席で警報音が鳴る=神戸市兵庫区御崎町1

 神戸市のJR三ノ宮駅前で2019年4月、市営バスが横断歩道に突っ込み歩行者2人を死亡させた事故を受けて、市は3月にも、市バスに歩行者や車との衝突の危険を知らせる警報装置を導入する。危険回避に加え、運転士に安全運転意識の向上を促すのが狙いで、路線バスへの配備は全国でも珍しいという。(初鹿野俊)

 導入の契機となったのは、市バスが引き起こした2年前の事故。運転士が赤信号で停止する際、ブレーキとアクセルを踏み間違えたことが原因とされた。

 事故を受けて市は、ヒューマンエラー(人為的ミス)が起きることを前提に、設備面での対策を研究。19年度、バス10台に警報装置を試験配備したところ、1~2カ月後の警報鳴動件数は、配備直後と比べて2~3割減少したという。市は運転習慣の改善にも有効と判断し、導入を決めた。

 バスの先頭部に取り付けたカメラが、前方の障害物の接近を検知したり、ウインカーを出さずに車線をまたいだりした場合、運転席に警報音が鳴る仕組み。ハンドル横の表示器にも警告サインが出て、運転士に危険回避を促す。全車両(515台)の1割に当たる計50台で稼働させ、経費は計約1千万円かかる。今後、導入台数を増やす可能性もあるという。

 総重量12トン超の大型貸し切りバスでは装備が義務化された自動ブレーキも検討。しかし、路線バスでは座席にシートベルトがない上、立ったままの乗客が急ブレーキで転倒する恐れもあるとして見送った。

 一方、三宮での事故後、市バス側の過失割合が高い事故は減少。18年度は95件だったが、19年度は52件と半数近く減った。市交通局は「同僚が重大事故を起こし、運転士の意識が変化した」と分析。「警報装置だけでは事故は防げない。死亡事故を忘れず、運転士の教育にも引き続き力を入れていく」としている。

【神戸市営バスによるJR三ノ宮駅前での死亡事故】2019年4月21日午後2時すぎ、神戸市中央区布引町4のフラワーロードで、青信号で横断歩道を渡っていた男性=当時(23)=と女性=同(20)=が市バスにはねられ亡くなった。市によると、他に6人が負傷した。バスの男性運転士(66)=懲戒免職=は自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪で起訴され、禁錮3年6月の実刑判決を受けた。判決は、運転士が赤信号で停止する際にブレーキとアクセルを踏み間違えたと認定した。

■運転の癖改善に活用 各地で導入例

 衝突の恐れを知らせる警報装置は、大型の貸し切りバスで導入が進む一方、路線バスの導入事例は全国でも多くない。低速で短距離を走行し、信号で止まることも多い路線バスでは効果が薄いとされるが、神戸市営バスと同様に運転士の意識改善につなげるバス会社も出てきている。

 大阪市バスの運営を引き継いだ「大阪シティバス」は昨年、死亡事故を受けて警報装置を本格導入した。担当者は「設置当初に比べて警報の回数が減り、運転がより丁寧になってきた」と運転士の変化を明かす。

 愛知県東三河地方で路線バスを展開する「豊鉄バス」(同県豊橋市)も昨年、一部車両に装備し、鳴動の回数や場所などの記録を運転士教育に活用している。「車間距離を詰めがち」など運転士の癖が分かるといい、担当者は「ゆとりを持った運転への改善につなげたい」とする。

 公益社団法人「日本バス協会」(東京)の担当者は「運転士への意識付けや負担軽減、危険を察知する能力の向上が期待できる」と評価。一方で「装置を過信したり、維持管理を怠ったりすると逆効果になることも肝に銘じてほしい」と話した。

総合の最新
もっと見る

天気(4月20日)

  • 21℃
  • 11℃
  • 0%

  • 23℃
  • 7℃
  • 0%

  • 23℃
  • 11℃
  • 0%

  • 26℃
  • 9℃
  • 0%

お知らせ