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ミット打ちに取り組む近野凌太朗さん=三木市志染町吉田、総合隣保館
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ミット打ちに取り組む近野凌太朗さん=三木市志染町吉田、総合隣保館

 兵庫県の三木特別支援学校中学部2年の近野(ちかの)凌太朗(りょうたろう)さん(14)が昨年末、空手の昇級試験に合格した。重度の知的障害を伴う自閉スペクトラム症で、集団で練習したり、瞬発力が求められたりする運動は難しいとされるが、筋力トレーニングや基礎練習を重ね難関を突破した。父一弘さん(53)は「同じ自閉症の子に、こんなこともできると勇気を持ってもらえたらうれしい」と声を弾ませる。(大橋凜太郎)

 幼い頃はおとなしい子だったという凌太朗さん。だが、環境の変化に対応するのが難しく、物事がうまくいかないと手が出ることもあった。空手を始めることに反対もあったが、2015年、一弘さんは「人の痛みが分かる子に」と、市内の道場に入門させることに。礼儀作法を学んでほしいとの願いもあった。

 当初は練習を嫌がる日もあったが、次第に積極的に。大きな声であいさつできるようになり、暴力を振るうこともなくなった。「みんなと一緒にいることが、心地よいのでは」と一弘さん。週に1度の練習日は、周囲にも楽しみにしていることが分かるほど「朝からスイッチが入る」という。

 練習は突きや蹴りといった基本に始まり、筋力トレーニングやミット打ちなど多様なメニューをこなす。「周囲が普通に接してくれることがありがたかった。特別扱いされると、参加しにくくなる」と一弘さん。乾いた打撃音と掛け声が響き、他のメンバーの声に呼応するように、凌太朗さんの掛け声が大きくなっていく。

 凌太朗さんは技を磨き続けて型を習得。足の運び方や手の動かし方は基本に忠実で、道場内で行われた昇級試験では、見事合格ラインに達した。一弘さんが白帯をほどき、7級を示す青帯にまき直す様子を、他の保護者も涙を流して見守った。

 大阪教育大名誉教授で大阪医科大LDセンター顧問の竹田契一氏(83)によると、自閉スペクトラム症で知的発達の遅れがある人は、筋肉の緊張性に弱さがある場合が多く、「空手のようなキレのある動きは非常に難しい」という。昇級は「誰よりも努力されたのでは」と指摘する。

 師範の大西秀樹さん(55)は「空手が好きということが何よりすごい。黒帯を目標に頑張ってほしい」と顔をほころばせた。

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