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専門店に持ち込まれた金製品。金価格の高騰に伴い、買い取り総額は増えているという=姫路市飾磨区恵美酒、エコリング本社
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専門店に持ち込まれた金製品。金価格の高騰に伴い、買い取り総額は増えているという=姫路市飾磨区恵美酒、エコリング本社
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 新型コロナウイルスの感染拡大で、改めて注目を集めた資産がある。株式や債券と異なり、そのものに価値がある「有事の金」だ。税抜き小売価格では、2019年末の1グラム当たり5千円台前半から20年夏ごろには7千円前後にまで上昇し、現在も6千円超を維持する。世界的な金融緩和の流れが重なり、金製品などを取り扱う専門店でも買い取り総額が伸びている。(小川 晶)

 世界中で流通する金は、絶対量が50メートルプール3~4杯分ともいわれ、希少価値が高い。そのため、経済情勢が不安定になるたびに買い求める動きが強まり、価格が高騰してきた経緯がある。

 地金大手の「田中貴金属工業」(東京)が発表する月次の税抜き小売価格によると、00年代前半に千円台だった1グラム当たりの金価格は、08年のリーマン・ショックなどを経て徐々に上昇。10年代は3千~4千円台で推移し、米中貿易摩擦の激化などによって19年8月に5千円を超えた。

 20年に入り、コロナの感染が世界中に広がると、8月には一時、日次価格で7千円を突破し、「データの残る1980年代以降で最高値」を記録した。同社の広報担当者は、情勢不安に加え、経済の落ち込みを打破しようと、欧米などで金融緩和の流れが強まったためと分析。「ゼロ金利、マイナス金利の中で、債券などの資産のうまみがなくなり、市場に供給された資金が金に流れたのだろう」と指摘する。

   ◇   ◇

 関西などに100店舗以上を構える買い取り専門店「エコリング」(兵庫県姫路市)でも、価格高騰の影響を受けている。コロナの感染拡大前と比べ、来店者数が50%以上落ち込むなどして金製品の取扱件数は減少したが、金額は増えているという。

 担当者によると、巣ごもりによる身の回りの整理で出たネックレスや指輪などを出張や宅配で換金する顧客が目立つ一方、延べ棒などの高額なインゴットは少ない。「売却益が一定額を上回ると、税金がかかる。金の価格が上がりすぎたことで、売りづらくなっているのかもしれない」とみる。

   ◇   ◇

 田中貴金属工業の金価格データでは、20年の夏を境に下落傾向に転じ、年末ごろから持ち直している。広報担当者は「コロナのワクチン開発のニュースが夏場に流れ、経済が上向くと予想した層が他の資産に資金を振り向けたが、なかなか収束が見通せず、再び金を買う動きが広がっている」と分析する。

 今後の動向について、具体的な見通しは公表していないが、コロナのほか、バイデン米大統領の対中国施策などが影響する可能性があるという。

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