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神戸市役所=神戸市中央区
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神戸市役所=神戸市中央区

 緊急事態宣言で在宅勤務が増える中、夜間や休日など勤務時間外に会社からのメールや電話での連絡に応じなくてよい「つながらない権利」に注目が集まっている。テレワークの導入が進み、仕事と私生活の時間が曖昧になりがちなためだ。厚生労働省の検討会が昨年末にまとめた報告書は、企業ごとに労使によるルール作りを促しており、今後対応が進みそうだ。

 「つながらない権利」は私生活を守るため、緊急時を除き勤務時間以外はメールなどを遮断することを認める。フランスやイタリアでは法律の規制がある。

 日本国内でも、長時間労働抑制の観点から就業規則で連絡を禁止したり、長期休暇中に社用のメールが届かないようにしたりする企業がある。人材サービス会社パソナグループは、原則として午後8時半になるとテレワークでもパソコンの電源が自動的にオフになるシステムを導入している。

 東京・霞が関の中央省庁に勤める30代の男性国家公務員は、1月の緊急事態宣言で週の半分が在宅勤務となった。片道約1時間の通勤は無くなったが、職場からの連絡に頭を悩ませる。他省庁や上司らからの問い合わせが回ってくるといい、「以前は拘束時間こそ長かったが、緊急事態以外に退庁後の電話はほぼ無かった。今は食事中にも連絡が来るので気が休まらない」とこぼす。

 民間企業の社員からも会社の携帯電話やパソコンを持ち帰れるようになり、連絡が増えたとの声が上がる。自動車部品メーカーの20代男性社員は「就業規則で禁止しても守らない管理職がいる。何度も電話されると正直しんどい」とため息をつく。

 長時間労働の懸念は働き方の問題に詳しい弁護士からも上がる。日本労働弁護団は3日にオンライン集会を開催。竹村和也事務局次長は「監視ソフトを導入するなど、プライバシーを守らない企業もある。つながらない権利の立法化も検討すべきだ」と指摘した。

     ◇     ◇

■先駆けの神戸市 条例制定を視野

 神戸市は昨年3月以降、つながらない権利に関する有識者会議の報告書を受け、条例の制定も視野に検討を進めている。

 市は2年前から全国に先駆けて、ネット社会で仕事とプライベートをいかに両立すべきかを探るため、NTTデータ経営研究所(東京)シニアマネジャーらによる有識者会議を設置。「ルール作りだけでなく、環境が違う各職場で柔軟性を持たせたものにすべき」とする提言を受けた。

 同研究所が実施したネット調査では、勤務時間外に緊急性のない電話やメールへの対応を週1回以上、上司から迫られた正社員は1110人のうち14・9%、同僚への対応も13・5%に上った。こうした対応について46・5%が「対応したくないが、やむを得ない」と考えていた。

 報告書を受けた後、新型コロナウイルスの感染が広がり、テレワークや時差出勤を取り入れる企業が増え、働き方も変化しつつある。市の担当者は「コロナ前とは状況が変わり、行政がどれだけ踏み込むべきかという問題もある。雇用主や労働者の意見も参考に、ルール化について検討していきたい」とする。(長谷部崇)

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