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ウーバーイーツなどの宅配サービスでも、電動自転車は便利な“足”に-。想定外の利用が広がる「コベリン」の三宮駅前サイクルポート=神戸市中央区三宮町1
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ウーバーイーツなどの宅配サービスでも、電動自転車は便利な“足”に-。想定外の利用が広がる「コベリン」の三宮駅前サイクルポート=神戸市中央区三宮町1
神戸新聞NEXT
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 神戸市が観光客や市民を対象に行う「こうべリンクル(コベリン)」事業の貸自転車が、宅配サービス「ウーバーイーツ」などで料理の配達(フードデリバリー)に励む人の“足”になっている。電動自転車は坂が多い神戸の街に向いていて、コロナ禍が宅配需要を底上げする。三宮や元町では、配達用リュックサックを背負う人の姿を見かけない日はないが、想定外の過度な使用で充電が追いつかず、一般の人が自転車を使いにくいという事態も生じている。(坂井萌香)

 「スピードを出しすぎないでくださいね」。2月中旬、電動自転車を貸し出し、返却できる神戸・三宮のポートで、管理する従業員がウーバーイーツの配達に出ようとする若い男性に呼び掛けた。昨年以降、宅配時の坂道での猛スピードや、「車をこすられた」などと苦情があるためだ。

 コベリンは2015年3月、市内にポート6カ所、電動自転車60台を配してスタート。20年には16カ所、100台に拡充した。神戸市が、駐輪場・駐車場管理「サイカパーキング」(東京)や自転車シェアリングサービス「ドコモ・バイクシェア」(同)と連携して展開。同市は市税は投じず、市道にポートを設ければ占用料の9割をカットし、市有地にあるポートは使用料を免除して支援する。

 事業は観光やショッピングで神戸の中心市街地の回遊性を高める狙いだったが、新型コロナの感染拡大で宅配サービスでの利用が急増した。1年間で増えた登録者数は、コロナ禍の20年でも1万500人に上り、コロナの影響がなかった19年の1万600人と比べても遜色がなかった。

 宅配利用を裏付けるように、自転車1台が1日に平均何回使われるかを示す回転数も、昨年夏以降は2~2・5回に上がった。サイカパーキングの担当者は「観光客が走るのは平均5~6キロだが、フードデリバリーは1日に100キロ以上走る人もいる」と話す。このため、ポートにバッテリーの残量が少ない自転車が目立つようになり、利用者は少しでも充電量が多い自転車を探すようになった。

 コベリンは当日であれば、24時間利用しても800円と値段設定も良心的で、口コミで宅配利用は広がる。自宅がある明石市から三宮に来てウーバーイーツに使う男子大学生(20)は「明石から自転車を持ってきたいが難しい。コベリンは坂道を楽に登り、どこのポートでも返せる」と利点を語る。大学院に留学中のベトナム人男性(24)も初めて三宮で利用し、「急ぐのでスピードが出てよい。友人に勧められた。また使いたい」と満足げだった。

 フードデリバリーでの利用急増。コベリン事業を所管する神戸市道路計画課の担当者は「認識はしている」とした上で、「特定の事業者ばかりの利益になるのは望ましいとは言えないが、規則違反でもない」と漏らし、できる対応がないかを検討しているという。

■大都市でも宅配での利用激増

 自転車レンタル事業はフードデリバリーと相性がよい。借りるポートも返すポートも自由で、駐輪場にも困らない。とりわけ飲食の宅配需要が高い大都市では、コロナ禍で貸自転車の利用が爆発的に伸びている。

 神戸市で事業を手がけるサイカパーキングの担当者は「コベリンは24時間利用ができ、好きな時間に働けるフードデリバリーにうってつけ。こんな事態は想像していなかった」と驚く。

 東京の貸自転車事業でも同じ現象が起きた。しかし、ウーバーイーツで配達する人に割安で自転車を貸していたドコモ・バイクシェアは、都内でのウーバーイーツとの法人契約を昨年末で終了した。都心での配達利用が増えすぎて、自転車が行き渡りにくくなったためという。ドコモ・バイクシェアは「配達員は自転車の占用時間が長く、一般利用者に不公平感を抱かせてしまう」とも指摘する。

【ウーバーイーツ】米配車大手ウーバー・テクノロジーズの宅配サービス。スマートフォンのアプリで注文を受け、飲食店の料理を届ける。学生や主婦らも空き時間を使って配達を代行する。コロナ禍でリモートワークが普及し、同社をはじめ複数の事業者が宅配サービスに参入している。

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