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神戸どうぶつ王国を経営する佐藤哲也さん(右)。「もし東日本大震災がなければ、神戸に進出していなかった」と語る=神戸市中央区港島南町7
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神戸どうぶつ王国を経営する佐藤哲也さん(右)。「もし東日本大震災がなければ、神戸に進出していなかった」と語る=神戸市中央区港島南町7

 3月11日で発生10年となる東日本大震災を契機に誕生した、神戸・ポートアイランドの観光施設「神戸どうぶつ王国」(神戸市中央区)が、震災の経験を糧に新型コロナ禍に立ち向かっている。栃木県の「那須どうぶつ王国」が、震災と福島第1原発事故で長期休業を余儀なくされたことから、有事には2施設でカバーし合えるようにと2014年に神戸に進出。人気施設に成長した。佐藤哲也園長(64)は「『3・11』のどん底から神戸開業につなげたように、この苦境も乗り越えたい」と前を向く。(長尾亮太)

 佐藤さんは兵庫県福崎町在住。両どうぶつ王国の園長で、経営も担う。10年前、震災と原発事故で「那須-」は約1カ月半休業。動物を避難させる事態は避けられたが、えさ代や人件費を賄うため、資金の確保に奔走したという。

 これを機に、運営上の危機管理意識が芽生えた。有事に備えて動物を避難させたり、休業しても収入をカバーしたりできるよう、別の場所にもう1カ所、園を設けることにした。

 佐藤園長は東京出身だが、かつて姫路セントラルパーク(姫路市)で働いたことがある。多くの集客が見込める関西進出を模索する中、ポーアイにあった前身の「神戸花鳥園」が経営破綻した。三宮に近い立地に可能性を感じ、運営を引き継ぎ、14年に神戸どうぶつ王国をオープンさせた。

 「当初の3年が勝負」と見定め、最も力を入れたのが従業員の意識改革だった。笑顔で接客できるよう、外部講師を招いて研修を重ねた。動物の見せ方にも知恵を絞った。レッサーパンダなどの展示場は、手が届きそうなほど近くで見られるように。またフクロウやタカ、インコなどを入園者の頭上近くに飛ばし、実況も工夫して笑いを誘った。

 花鳥園が破綻した13年度は25万人だった入園者は右肩上がりで増え、18年度は88万人を記録。100万人の大台が見えたところで、コロナ禍に見舞われた。20年度は春に長期休園した後、夏は一時客足が戻りかけたが、秋からの第3波で再び低迷。年間入園者は43万人程度にとどまりそうだ。

 ただ、逆境の中に光明も見えた。動物の住環境を改善する資金集めで目標額を上回ったほか、多くの応援メッセージも寄せられた。「コロナ禍がなければ、活動を支えてくれる人たちの存在に気づけなかった」と佐藤園長は話す。

 現在、従業員が一丸となって取り組むのが、施設の目玉であるバードショーの魅力アップだ。感染防止策の一環として、3月に会場を屋内から屋外に移すための訓練を重ねる。色鮮やかなコンゴウインコなどが大空を舞う姿をアピールしたいという。

 コロナという逆境下でも前を向く姿勢は、震災の経験が土台になっている。佐藤園長は「コロナ禍が早く収束し、生まれ変わったどうぶつ王国を楽しんでほしい」と切望している。

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