神戸市は2021年度、自宅などに居ながら、スマートフォンなどを使って市ホームページ(HP)上でオンライン申請や届け出ができる「デジタル市役所」の構築に乗り出す。自治体では異例のログイン方式を導入し、希望者にはマイページを作成。人工知能(AI)も駆使し、利用者が登録した情報や閲覧履歴に応じて、関心が高そうな市政情報を積極的に発信する。(石沢菜々子)
HPの情報はこれまで、各部署がそれぞれの判断で掲載しており、古い情報が残るなどして約3万ページまで膨らんでいた。このため、4月にデータ処理に詳しい民間の専門人材を「HP監理官」として登用し、情報発信を一元化。今秋にもHPを一新する。
新たなHPは、ページ数を3分の1以下に減らし、市のコールセンターに問い合わせが多い手続きを検索しやすくする。希望者がIDとパスワードでログインすると、自身の登録情報や閲覧履歴から自動的に関連情報がトップページに掲載される仕組みを想定。「子育て」や「学生」など調べたい分野を選べるようにし、新たな制度ができた場合はメールや会員制交流サイト(SNS)を通じて情報提供する。
HP上での行政手続きは、マイナンバーカードなどで本人確認を行い、セキュリティー管理を徹底する。児童手当の現況届など、処理件数が膨大な約40種類の手続きを21年度から順次デジタル化。25年度末までに電子申請が可能な行政手続きの7割(処理件数ベース)を目指す。
市は関連費用を21年度当初予算案に計上。担当者は「電話で問い合わせなくても、調べたいことがすぐに分かるHPを目指す。庁内の事務作業を減らし、相談業務などで市民により丁寧な対応ができるようにしたい」と話している。











