兵庫県は2日、阪神南県民センター(尼崎市)と阪神北県民局(宝塚市)を統合する「阪神県民局」の本庁舎について、早ければ2022年度としていた統合時期が1年遅れ、23年度になるとの見通しを明らかにした。新型コロナウイルスの影響による財政状況悪化を要因に挙げ、21年度当初予算案には建設費などを盛り込まなかった。
同日の県議会で、中野郁吾議員(自民党)の一般質問に答えた。
阪神南県民センターは、尼崎、西宮、芦屋の3市、阪神北県民局は伊丹、川西、宝塚、三田の4市と猪名川町をそれぞれ管轄。県は効率的な行政運営を目指し、18年7月に統合方針を明らかにしていた。
本庁舎は、高潮被害などの災害リスクが低いことや、交通利便性の高さなどから伊丹庁舎(伊丹市)に置き、増築棟と立体駐車場を敷地内で新たに建設することを決定。すでに建設に向けた基本設計や実施設計を終えている。
一方、県は21年度予算案で、企業業績の悪化や消費低迷で県税収入の919億円減を見込んだ。新型コロナの収束が見通せず、予算案では県庁舎再整備に向けた基金に積み立てる30億円の捻出を断念するなどしており、阪神県民局の統合・移転も予算化を見送り、1年後ろ倒しすることにした。(藤井伸哉)