園芸用品販売店で大麻の栽培に必要な器具の使い方を客に教えたなどとして、大麻取締法違反ほう助の罪に問われた元経営者の男(45)=神戸市兵庫区=の判決公判が12日、神戸地裁であり、岡本康博裁判官は懲役4年(求刑懲役5年、罰金200万円)を言い渡した。
判決によると、男は神戸市兵庫区で園芸用品販売店「グロウワークス」を経営し、2012年4月~19年7月、複数の客が名古屋市や福岡市などで大麻を栽培すると知りながら、電話や対面で空調や肥料、照明器具の使い方などを教えたり、栽培用品の購入を勧めたりした。
岡本裁判長は「海外で大麻工場を見学するなど、大麻への関心と親和性は高い。反省も欠けており、刑事責任は重い」と指摘。栽培用品の販売について「販売を促進し、顧客をつなぎ止めるという動機は自己中心的で身勝手。厳しい非難に値する」と述べた。
男は2019年に大麻取締法違反ほう助の疑いで、厚生労働省近畿厚生局麻薬取締部と兵庫県警の合同捜査本部に逮捕され、その後、神戸地検に同罪で起訴された。
これまでの公判で弁護側は「(客が)大麻を栽培していることを知らなかった」などと起訴事実を否認し、無罪を主張。岡本裁判長は「イシダ」や「店長」と名乗る人物から栽培法を教わったとする客たちの証言は信用できるなどとして、弁護側の訴えを退けた。