神戸製鋼所が神戸市灘区で進める石炭火力発電所の増設を巡り、周辺住民ら12人が、大気汚染への配慮を欠いた同社の環境影響評価(環境アセスメント)を認めた国の「確定通知」は違法として、通知の取り消しを求めた行政訴訟の判決で、大阪地裁は15日、訴えを退けた。
争点となった確定通知は、環境アセスの最終段階で事業者が提出する「環境影響評価書」に対して経済産業相が出す。神鋼には2018年5月、増設計画の内容に変更の必要はないとの判断を示した。住民側は、神鋼のアセスはCO2や微小粒子状物質「PM2・5」の排出について必要な検討がないと指摘。アセスと通知の違法性を主張していた。
新たな発電所は18年10月に着工し、神鋼は2021~22年度の稼働を目指している。増設を巡っては、周辺住民ら40人が計画の差し止めを求めた訴訟も神戸地裁で審理中。
