兵庫県豊岡市は15日、同市消防本部内でパワーハラスメントが疑われる事案があったとして、調査委員会を設置した。50代の男性幹部が部下の40代男性に、度が過ぎた叱責や人格否定ととれる発言をした疑いがある。
市によると、昨年2月の職員意識調査で「働き続けたくない」との回答が複数あったほか、同6月にパワハラがあるとの訴えもあったため聞き取りをしたが、確認できなかった。しかし、今年初めの調査で6人がパワハラを目撃したなどと記述。文書でも匿名の訴えがあり、今月9日から当該職員を含む消防職員にヒアリングした結果、パワハラの疑いが強いと判断した。その後も匿名や実名の書面が届き続けている。
市は同3日、市長名でハラスメントを許さない旨のメッセージを全職員宛てに送付。同12日に「市ハラスメント防止及び対応指針」を策定し、同15日に調査委員会を設けた。内容を確認し、パワハラ行為があれば懲戒処分を検討する。
中貝宗治市長は「通常なら処分などの結果が出た後に発表するが、ハラスメントに対して誠心誠意取り組み、注意喚起したいとの思いで発表した」と話している。(石川 翠)