任期満了に伴う兵庫県知事選(7月1日告示、同18日投開票)で、金沢和夫副知事(64)が24日、会見を開き、無所属での立候補を表明した。今期限りで退任する井戸敏三知事(75)の県政について「政策の一貫性は重要」と述べ、継承する意向を強調。ただ、禅譲批判には反発し、変革をリードする意思も示した。
金沢氏は神奈川県藤沢市出身。旧自治省(現総務省)の官僚だった1998年から4年間、兵庫県に出向。2010年から副知事を務め、24日付で辞職した。
金沢氏は会見で、井戸知事からの禅譲批判が出ていることに「知事も後継者として(自分を)指名していない」と反論。自らも関わってきた県政について「知事の下で積み上げられた政策は正しい」と述べ、継続する姿勢を示した。
金沢氏には、県議会最大会派・自民党のほか、連合兵庫や県社会福祉政治連盟など計55の各種団体が立候補を要請。一方、県政の刷新を求める自民会派の県議11人は同日、退団届を会派の執行部に提出し、総務省出身の大阪府財政課長、斎藤元彦氏(43)を擁立する方針を固めた。
自身の支援を巡り自民会派が分裂したことに金沢氏は「党内に異論があり、疑念を持たれていることは大変残念で、本来あるべきでない姿になっている」と懸念。斎藤氏との違いについて「20年の経験の差がある。危機管理などでこの差は私の強みになる」と述べた。金沢氏は25日にも自民党に推薦を要請する見通し。
知事選では、日本維新の会が斎藤氏の支援も含めて、候補者の擁立を検討。共産党県委員会などでつくる政治団体も候補の選定を進めているほか、元加西市長の中川暢三氏(65)が無所属での立候補を表明している。(紺野大樹)