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72年続いた発行を終える「雪」を手にした監修担当の神戸市消防局職員=神戸市中央区加納町6、市役所4号館
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72年続いた発行を終える「雪」を手にした監修担当の神戸市消防局職員=神戸市中央区加納町6、市役所4号館
対談企画に著名人が多く登場した。消防以外の話題が載るのも「雪」の持ち味=神戸市中央区加納町6、市役所4号館
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対談企画に著名人が多く登場した。消防以外の話題が載るのも「雪」の持ち味=神戸市中央区加納町6、市役所4号館
72年続いた発行を終える「雪」=神戸市中央区加納町6、市役所4号館
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72年続いた発行を終える「雪」=神戸市中央区加納町6、市役所4号館

 創刊72年になる神戸市消防局監修の月刊誌「雪」が3月号を最後に発行を終える。内部向け機関誌として誕生し、やがて文化、スポーツ、経済など多彩なテーマを扱い、著名人が登場する全国的にも珍しい市販の情報誌へと発展。阪神・淡路大震災時は、被災地の惨状をつぶさに記録した。デジタル化を進める市の方針で終刊が決まり、惜しまれながら歴史に幕を下ろす。(初鹿野俊)

 前身の「神戸消防」は、自治体消防が発足した翌年の1949(昭和24)年3月に発刊。非売品で、当初の内容は、心構えや防火の重要性を説いた訓示、業務に関わる研究結果など教養の要素が強く、職員が寄せた俳句や川柳も掲載していた。52年、消防の記章が雪の結晶に似ていることなどから「雪」に改称された。

 転機は55年。消防を身近に感じてもらうための広報誌へと位置付けが変わり、「センスある文化誌を」と方針を掲げた。今のように企業が広告を出す月刊誌として発売。消防に関する内容を中心に据えつつも、文化人や大学教授らによる寄稿、映画の評伝、エッセーなどを幅広く盛り込んだ。

 対談企画では、著名人が誌面を飾った。ダイエー創業者の中内功さん、神戸製鋼ラグビー部の平尾誠二さん、将棋棋士の谷川浩司さん、重量挙げリオ五輪代表の八木かなえ選手、作詞家の松本隆さん、お笑い芸人の間寛平さん-らがそれぞれの分野について語った。

 順調に版を重ねていた95年1月、阪神・淡路大震災が起きた。未曽有の事態に組織内で「休刊すべき」との声も出たが、「雪にしかできないことがある」と発行の継続を決めた。編集専任の職員が被災地を撮影して回り、一変した街並みの写真や最前線で活動した職員の手記を載せて惨状を記録した。

 震災後、財政難で市はさまざまな広報誌を廃止。雪の存続も危ぶまれたが、編集を外注し、消防局が監修する情報誌として残った。

 昨年、新型コロナの影響で、6、7月号を初めて休刊した。再開後も部数約6千部や企業広告を維持したが、市はデジタル化推進に向け、会員制交流サイト(SNS)を活用した広報への移行を決定。発行を終えることになった。

 最終号では、歴代編集長らが思い出を振り返り、消防隊員の一日を朝の点呼から翌朝の引き継ぎまで写真を使って紹介。巻末はこんな一文で締めくくった。「『雪』が降らない日は晴れになります。空を見上げて一杯背伸びしてください。お疲れさま雪」

 税込み250円。購入希望者は発行元の同市危険物安全協会TEL078・325・8515へ。

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