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検査器具に使う「多孔質プラスチック」=兵庫県稲美町草谷
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検査器具に使う「多孔質プラスチック」=兵庫県稲美町草谷
検体採取に使うピペット。先端部の黄色い筒の中に多孔質プラスチックで作られたフィルターが入っている=兵庫県稲美町草谷
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検体採取に使うピペット。先端部の黄色い筒の中に多孔質プラスチックで作られたフィルターが入っている=兵庫県稲美町草谷
西日本で唯一、多孔質プラスチックを製造する工場=兵庫県稲美町草谷
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西日本で唯一、多孔質プラスチックを製造する工場=兵庫県稲美町草谷

 新型コロナウイルスの収束が見通せず、PCR検査が増える中、検査器具に使う「多孔質(たこうしつ)プラスチック」と呼ばれる特殊な樹脂の需要が高まっている。検体を検査装置に移す際に必要になる部品で、国内ではわずか数社しか製造できない。西日本唯一のメーカー、トーメイ工業(兵庫県稲美町)は4月にも新設備を稼働させ、従業員を増やして対応する。(高見雄樹)

 PCR検査用に需要が伸びているのは、個人から採った検体を検査装置に移す「ピペット」という器具の部品。直径3ミリ、長さ5ミリほどの円柱形で、先端部にはめ込むフィルターに多孔質プラを使う。空気圧で液体の検体をピペットに取り込む際、定量を測るために必要になる。

 同社では、新型コロナの感染拡大でPCR検査が増えたことに伴い、多孔質プラの受注が増加。2020年度の生産量は約700万個と前年度の4倍になった。新規受注も止まらず、21年度は2千万個を超える可能性があるという。

 プラスチックは原料の樹脂粉末を金型に入れ、熱を加えて溶かし、成型する。多孔質プラは粉末(直径0・02~0・5ミリ)を溶かし切らず隙間を残して成型するため、見た目は普通のプラスチックだが、空気を通して液体を通さないという特性を持つ。従来、電気式蚊取り器の殺虫剤が入った瓶や100円ライターの芯に液体を吸い上げる目的で使われてきた。

 プラスチックは金属製フィルターに比べて安く、薬剤への耐性も高いのが特長だ。同社は約20年前、医療向けに参入し、県内に拠点を置く大手検査機器メーカーにも納入。この1年は、医療関連のメーカーからの試作の依頼が絶えない。

 多孔質プラは原料と製造装置があれば作れるが、温度管理は難しい。蓄積したノウハウの流出を防ぐため、田園地帯にある工場には社員以外は立ち入り禁止にする。さらに同社は、数千万円を投じて隣接地の新工場に3台の製造装置を入れ、4月中の稼働を目指す。生産、検品作業に従事する約30人の社員も増産に合わせて増員する。

 営業担当の東繁徹(ひがししげてつ)取締役(42)は「医療分野で新たな取引先が増え、何に使えるか、こちらが教えてもらった。より高度な品質管理が求められる製品を多く手掛けたい」と話している。

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