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今月5日に始まった伊丹市長選の期日前投票。投票率は果たして…?=5日午後、伊丹市役所(撮影・久保田麻依子)
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今月5日に始まった伊丹市長選の期日前投票。投票率は果たして…?=5日午後、伊丹市役所(撮影・久保田麻依子)
4年前の前回選で、執行年の記載を外して発注した豊岡市長選の投票用紙=豊岡市役所(撮影・石川 翠)
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4年前の前回選で、執行年の記載を外して発注した豊岡市長選の投票用紙=豊岡市役所(撮影・石川 翠)

 選挙の低投票率が指摘される中、今月11日投開票の兵庫県伊丹市長選で、同市選挙管理委員会が思い切ったコスト削減策に打って出た。7月の兵庫県知事選をはじめ、有権者の人数分を確保するのが一般的な投票用紙を、7割程度に抑えて発注したのだ。「投票率100%」の理想よりも、使われずに廃棄する用紙の無駄を考えた現実的な判断が背景にあるという。(小川 晶)

 約16万5千人を見込む有権者に対し、用意する投票用紙は約73%の12万人分。選挙戦となった前々回の市長選の投票率41・92%を基に、伊丹市選管が決めた今回選の発注枚数だ。

 用紙は、開票作業がしやすいよう特殊加工が施されており、一般的な紙よりも費用がかかる。用紙削減は同市執行の選挙で初めての試みで、担当者は「全ての有権者が投票する可能性を選管自らが否定する道義的な問題はあるが、用紙のコストを市民の血税で賄っている点を重くみた」と説明。新型コロナウイルスへの対応などに少しでも多くの財源を充てるために採用したという。

 有権者の約73%という数値は、投票率90%ベースでは効果が薄い▽50%ベースでは投票者数が上回る可能性がある-などさまざまな想定を基に決定し、万が一、足りなくなった場合は臨時の用紙で対応する方針。削減で浮く金額は、二十数万円を見込む。

   ◆    ◆

 「現実路線」へかじを切った同市選管に対し、県内の他の選管では「投票率100%」を基準に用紙を準備するケースが目立つ。

 保守分裂の様相を呈している県知事選も、その一つ。県選管によると、投開票の事務を各市町が担うため、用紙を減らすと、枚数の調整などで混乱が生じる恐れがあるという。担当者は「そもそも、投票に行かない層を前提とするのはおかしい気がするが…」と話す。

 今秋予定の市長選で記号式投票を取り入れる神戸市選管も「有権者の人数に合わせて用意する」。伊丹市長選と同日に市長選が実施される宝塚市選管は「紙も資源であり、発注枚数の削減を検討した」と明かすが、1枚当たりの単価が上がる可能性などを踏まえて見送ったという。

   ◆    ◆

 廃棄されるはずだった投票用紙を活用する選管もある。現職と新人が立つ見通しの市長選告示を今月18日に控える豊岡市だ。

 選管によっては、選挙名に加えて執行年を用紙に印字するが、この場合、無投票のケースを含め、使われなかった用紙は転用が利かず、処分せざるを得ない。同市選管は、4年前の前回選で、無投票の可能性などを考慮して、執行年を入れずに発注。実際に無投票となったため、保管しておいた7万2千枚を今回選で使うことができるという。

【紙にこだわるシステム課題 一橋大大学院経済学研究科の佐藤主光教授(地方財政)の話】選管は、職務として投票率の向上に努めるべきだが、「投票率100%」に縛られる必要はない。投票用紙の枚数削減は、行政の無駄を排除するという全く別次元の発想であり、切り分けて考えた方がいい。投票率の低迷傾向が続く以上、同様の動きが広がる可能性もあるだろうが、突き詰めれば、紙にこだわる投票システムの課題に行き着く。枚数削減を良い、悪いと論じるよりも、選挙事務の在り方を見直すきっかけとして捉えるべきだろう。

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