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「薬剤師を単純作業から解放したい」と話す渡部正之さん=大阪市北区梅田1、ヒルトンプラザイースト(撮影・長嶺麻子)
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「薬剤師を単純作業から解放したい」と話す渡部正之さん=大阪市北区梅田1、ヒルトンプラザイースト(撮影・長嶺麻子)
営業時間外にも、処方箋に基づいて調合した薬剤が受け取れる機械(撮影・長嶺麻子)
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営業時間外にも、処方箋に基づいて調合した薬剤が受け取れる機械(撮影・長嶺麻子)

 医師が端末に処方箋を打ち込むと、薬局にデータが送信され、ロボットが薬を選び始める-。そんな日本初の「ロボット薬局」が、大阪・梅田にある。このロボットを共同開発した神戸市灘区の薬局運営会社「メディカルユアーズ」が、年内にも神戸市内に同様の薬局を開設する計画を進めている。社長の渡部正之さん(43)は、ロボットが薬剤師の役割を代替するのではなく、単純労働から解放し、専門性を生かせる時間を生むと強調する。(霍見真一郎)

■薬剤師は患者相談などに専念

 薬剤師でもある渡部さんは、製薬会社を退職後、2014年に神戸市中央区に従来型の薬局を開設。その後店舗を増やし、現在は兵庫県内と大阪府内に計9カ所の薬局を手掛けている。

 「大手薬局チェーンと出店を競うような状況にあった」という渡部さんがロボットに着目したのは、インターネット通信販売大手のアマゾンが医薬品販売を本格化させたからだ。「対抗するには、クリニックを出た途端に薬が準備されている状況をつくらないと」。日本でも導入できるロボットはないか世界中を探した。

 薬を箱のまま処方する国が多いのに対し、日本は、患者ごとに必要分だけ渡す「計数調剤」という独自の方式を採る。ロボットに特定の箱を運ばせても、残った薬を入れた箱を戻す必要があり、その管理が極めて難しかった。

 試行錯誤の末、ロボットを導入した「梅田薬局」を19年3月に開設。メディカルユアーズが経営する従来型の薬局では平均8分17秒ある待ち時間を、平均2分53秒にまで縮めた。薬剤師が薬を探す時間がなくなっただけでなく、クリニックから処方データを直接ロボットに送信することで、画期的な待ち時間圧縮に成功。わずかながら生じていた薬の数え間違いや別の薬との取り違えが、全くなくなった。一般的な薬局で1200品目程度という薬も、梅田薬局は約2500品目そろえ、多様な処方箋に対応できる。

 調剤の自動化で渡部さんが期待するのは、薬剤師が単純作業に忙殺される時間の短縮。渡部さん自身、薬局勤務時は「一日の勤務時間の半分が薬を取ってくる時間だった」と振り返る。

 「薬剤師は、処方箋通りに薬を用意するだけでなく、副作用の面から医師に処方を見直すよう意見したり、患者を問診して、薬が適当かチェックしたりするのも重要な仕事」と指摘する。

 同社は、6月に神戸市灘区の阪急王子公園駅近くに薬局を開き、新たなロボットを年内にも導入する準備を進める。渡部さんは「ロボット薬局を通じて、薬剤師の仕事を、さらに知的で創造的なものにしていきたい」と話している。

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