兵庫県は13日、新型コロナウイルスに感染して自宅療養となった人と、入院や宿泊療養施設への入所を自宅で待つ患者に対して12日から、食料5日分やマスクなどを詰めたセットの無料宅配を始めたと発表した。医療の逼迫を受け、「自宅療養ゼロ」の方針を10日から取り下げたのに伴う措置。
イオンリテール(本社・千葉市)に委託し、レトルトカレーやカップ麺、缶詰などの食料と、消毒液やマスク、トイレットペーパーといった衛生用品を調達。血中酸素濃度を測定するパルスオキシメーターも貸し出し、セットに入れる。宅配時は対面を避け、自宅前に置く「置き配」をする。
対象は政令市の神戸市と、中核市4市を除く地域の、配送を希望する自宅療養者・待機者。同様の取り組みは県内で神戸市が2月から実施し、西宮市も今月中旬から始める。県は残りの中核市とも連携し、県全域に広げる検討をしている。
県は10日から、65歳未満で無症状や軽症の患者に自宅療養を認める方針に転換。13日午前0時現在で自宅療養者は532人、入院・療養の待機者は876人に上る。県の担当者は「患者は買い物などの外出をせず、自宅療養に専念してもらえれば」としている。(井川朋宏)