兵庫県は14日、新たに507人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。新規感染者数が500人を超えるのは昨春の「第1波」以降で初めて。感染拡大が止まらないため、井戸敏三知事は神戸など4市を対象にしている「まん延防止等重点措置」について、宝塚、伊丹、明石市などの追加を検討していると明らかにした。15日午後に開く対策本部会議で決める。
1日の新規患者数は過去最多だった13日の390人から100人以上増加。直近1週間(8~14日)の1日平均も過去最多の322・6人となり、初めて300人を超えた。西宮、明石市で計2件の取り下げがあり、県内の累計患者数は2万3793人となった。
また、神戸、尼崎、姫路市と県所管の保健所で計9人の死亡が判明、累計死者数は617人となった。14日午前0時の病床使用率は73・8%、うち重症用は66・3%。緊急事態宣言を発令する目安として、政府の対策分科会が示す6指標は13日時点で6日続けて「ステージ4(爆発的感染拡大)」だった。
会見した県感染症等対策室の山下輝夫室長は「想像よりはるかに(感染拡大の)スピードが速く、医療崩壊が目前に迫りつつある。県民の皆さんには危機感を共有し、直ちに行動を変えてほしい」と呼び掛けた。
県内では5月5日まで、神戸、尼崎、西宮、芦屋市でまん延防止措置を適用し、飲食店に午後8時までの時短営業を要請。今月21日まで阪神北、東播磨、中播磨の14市町では、同9時までの閉店を求めている。
井戸知事はこの日、報道陣の取材に応じ、神戸など4市に隣接し、感染者が急増している地域を同措置の対象に加えることを検討すると表明。「保健所単位で検討することになるが、宝塚、伊丹、明石の管内が対象になる」と述べた。14市町への独自要請についても「5月5日までが望ましい」と延長する考えを示した。
(大島光貴、谷川直生)
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