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決勝を振り返る稲葉陽八段=大阪市福島区、関西将棋会館
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決勝を振り返る稲葉陽八段=大阪市福島区、関西将棋会館

 3月21日に放送された「第70回NHK杯テレビ将棋トーナメント」決勝で、兵庫県加古川市ゆかりの稲葉陽八段が斎藤慎太郎八段を破り、初優勝を果たした。昨年と2018年の2回、決勝まで進みながら準優勝に終わった棋戦だけに「やっと結果を出せた」と喜びをかみしめる。(井原尚基)

 稲葉は序盤研究の深さや終盤の踏み込みに定評がある居飛車党だ。今期は、杉本昌隆八段や佐藤天彦九段ら4人を破って決勝に臨んだ。

 NHK杯と並行して指されていた名人戦A級順位戦は2勝7敗に終わり、4期連続で在籍したA級からB級1組へ陥落することが対局前に決まっていた。「降級した上に決勝でも負けてしまったら、モチベーションが下がってしまう」。奮起を誓って迎えた大一番は、稲葉が先手で角換わりの戦型に。「優勢だったが逆転され、さらに再逆転した」熱戦は、稲葉が後手玉を即詰みに追い込み、斎藤が153手で投了した。

 昨年10月に始まった「将棋フォーカス」で初の講師を務めていたこともあり「一局でも長く放映されるように頑張りたいという気持ちが、最高の形になった」と笑顔を見せる。

 稲葉にとってNHK杯は「タイトル戦と比べ、初戦から勝敗が注目されているのを感じる」特別な棋戦だ。敗北すれば、対局直後だけでなく放送日もつらい気持ちになるというが、今回だけは「決勝戦の放映が待ち遠しかった」と振り返る。

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 すでに放送が始まっている第71回トーナメントでは、人工知能(AI)による形勢評価値が新たに表示されるようになった。「初心者も数多く視聴している番組なので、ファンの裾野を広げ、楽しんでもらう意味では面白い取り組み」と評価。一方で、対局者としては、悪手を放って評価値が一気に下がってしまう事態を避けるため「これまで以上に気を引き締めないと」と自戒する。

 インターネットで観戦できる非公式戦「第4回ABEMA(アベマ)トーナメント」では「加古川観光大使」チームのリーダーを務め、久保利明九段、船江恒平六段とともに参加している稲葉。「全国のファンに、棋士のまち加古川をアピールしたい」と意気込み「今後は持ち時間が長い棋戦でも結果を出したい」と目標を語る。

【いなば・あきら】1988年、兵庫県西宮市生まれ。94年に同県加古川市へ転居。小学生時代から井上慶太九段の下で将棋を学び、2008年四段。今年1月、一般女性との結婚を機に大阪市へ転居した。「対局に負けても、妻が明るく接してくれるので、すごく助かる」

【決勝戦を振り返る】勝利導いた銀打ち

 斎藤慎太郎八段との決勝戦で勝利を引き寄せた局面を稲葉陽八段に振り返ってもらった。

 飛車が取られそうになっていた137手目で■3三銀と打ち込んだのがポイントでした。後手にたくさん駒を渡す展開になりますが、その後、竜をつくれたのがとても大きかった。

 読み筋の中で、後手玉を狙いながら先手玉を安全にする■3二角が浮かび、勝ちになったかなと思いました。

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