兵庫県豊岡市出身の世界的冒険家植村直己さんにちなんだ「植村直己冒険館」(同市日高町)が20日、子ども向け体験型施設を整備して改装オープンした。テントでの宿泊体験や大型ネット遊具などを親子で楽しみながら「挑戦する心」を育む。
同館は、日本人初のエベレスト登頂や世界初の五大陸最高峰登頂に成功し、国民栄誉賞を受けた植村さんを顕彰するため、1994年に開業。改装のため昨年1月から休館していた。
改装では、本館南側に直径約22メートルの円形施設を設けた。地下1階、地上1階建てで、愛称は「どんぐりbase(ベース)」と、地元小学生が名付けた。
屋内には、五大陸の山をイメージした大型ネット遊具や、岩登り体験ができる高さ約5メートルのクライミングウオール、乳幼児向けの遊び場がある。つり下げたロープを登るツリーイングも屋内外に20本設置。宿泊もでき、屋内外に多彩なテントが用意されている。
本館の展示も、大幅に内容を変更。雪原でそりを引く犬が足の裏をけがした際、衣類を裂き袋状に縫って犬の足を包んでケアしたエピソードなどを写真とともに紹介。植村さんの優しさや生きる力、挑戦する力を伝える展示になっている。
植村さんの著作などから引用した言葉をイラストレーターの黒田征太郎さんの絵とともに展示するコーナーも新設された。
吉谷義奉館長は「遊びの体験が、周囲の神鍋高原など本物の自然に触れるきっかけになってほしい」と話している。
午前9時~午後5時。水曜休館。入館料は本館のみ大人550円(3歳~中学生330円)、どんぐりbaseのみ330円(同550円)、両施設770円(同770円)。ツリーイングなど各体験プログラムは別途料金が必要。宿泊体験6600円(同4400円)。カフェスペース(入館無料)も併設されている。同館TEL0796・44・1515
(石川 翠)
