兵庫県知事選(7月1日告示、同18日投開票)に立候補を表明した前副知事、金沢和夫氏(64)の後援会が20日、発足した。同日の設立総会に井戸敏三知事(75)がビデオメッセージを寄せ、「県民の意見を聞き、地域の実情を知り、県政に反映できるリーダーは金沢さんだ」と述べ支援を表明した。井戸氏が公の場で支援を明言するのは初めて。
井戸氏は知事に求められる資質について「課題に柔軟で、即戦力、実行力、県民に自分をささげる愛情が必要」と説明。金沢氏が15年間にわたって県政を推進したことを評価し、次期知事にふさわしいとした。
また、自民党が前大阪府財政課長の斎藤元彦氏(43)に推薦を決めた経緯を、「推薦候補の決め方は不明瞭で、民主的だったのか」と疑問を投げ掛け、「自民県連の選挙対策委員会で選ばれた金沢さんこそ真の候補者だ」と強調。さらに、斎藤氏を念頭に「若さだけではなく、行政経験を積んだリーダーでなくてはならない」とも述べた。
一方、金沢氏は「ポストコロナに向けて課題は山積み」とした上で、兵庫が持つ地域の多様性や開放的な文化を武器に「希望に満ちた兵庫をつくり、恩返ししたい。日本をリードする県にする」と訴えた。総会後の取材では「井戸知事の支援はありがたい」と話した。
総会では、神戸商工会議所副会頭の植村武雄氏(76)が後援会長に就き、「金沢さんの『共に輝く兵庫』という志を実現するため、強力に支援する」とした。
知事選には、共産党が推薦する元兵庫県議の金田峰生氏(55)、元加西市長の中川暢三氏(65)も無所属での立候補を表明。斎藤氏には日本維新の会も推薦を決めている。(藤井伸哉)