兵庫県豊岡市は29日、部下にパワーハラスメントを繰り返し、職場の士気を下げたなどとして、同市消防本部の50代男性消防長を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分にしたと発表した。処分は29日付。
同市によると、消防長は昨年6月から今年3月、部下の40代男性を、ほかの職員もいる執務室内で大声で「ええかげんにせえよ」と責め、「このままでは異動させる」などと発言。別の40代男性や新任の男性職員にも「異動させる」「辞めるんか」と叱った。
昨年8月には、兵庫県消防学校への教官派遣で同本部から応募者がいなかったことから、複数の職員を集め、それぞれに子どもの障害や妊活中といった理由を説明させたという。
昨年2月の職員意識調査で「働き続けたくない」という消防本部職員らの回答が複数あり、同6月にパワハラの訴えもあったため、市は消防長の聞き取りを開始。今年3月14日から自宅待機にし、同15日から調査委員会を設けて調べた。
消防長は1981年、豊岡市に採用され、総務課長などを経て昨年4月、消防長に就任。今回のパワハラを受け、市は市政策調整部参事に異動させた。
中貝宗治市長は「消防職員と市民に申し訳ない。職場の体質改善につながるようフォローしたい」とした。