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「麗子裸像」(1920年)=京都国立近代美術館
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「麗子裸像」(1920年)=京都国立近代美術館
「舞妓図(舞妓里代之像」(1926年)=京都国立近代美術館
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「舞妓図(舞妓里代之像」(1926年)=京都国立近代美術館
「外套着たる自画像」(1912年)=京都国立近代美術館
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「外套着たる自画像」(1912年)=京都国立近代美術館
「壺」(1917年)=京都国立近代美術館
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「壺」(1917年)=京都国立近代美術館
「夕陽」(1912年)=京都国立近代美術館
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「夕陽」(1912年)=京都国立近代美術館

 娘を描いた「麗子像」で知られる洋画家岸田劉生(1891-1929)の作品42点を、京都国立近代美術館(京都市左京区)が新たに収蔵した。個人蔵だったもので、29点を計12億円で購入、13点の寄贈を受けた。初期から晩年まで多彩な画風がそろう一大コレクション。来年1月から新収蔵記念の展覧会「岸田劉生と森村・松方コレクション」で全作品を公開する。

 同館によると、今回の収蔵作の多くは、明治時代に内閣総理大臣を務めた松方正義の息子、森村義行と松方三郎がかつて所蔵。1970年代に、二人が亡くなると名品ぞろいのコレクションが散逸し始め、公開されにくくなっていた。2011年の大阪での展示以降、近年はほとんど公の場に出ていない。

 散逸を防ぐため、収集を続けた東日本に住む匿名のコレクターから約2年前、「作品を後世に伝えたい」と同美術館に作品を引き継ぐ打診があった。東日本大震災を機に津波などの災害も憂慮していたという。

 「なかなか目にできなかった『幻の名作』が数多く含まれる」と同美術館の梶岡秀一主任研究員。「各年代やジャンルを網羅した国内を代表する充実したコレクション。劉生の画業の真の意味、面白さに触れてほしい」と語る。

 新収蔵品の中で、ゴッホのタッチを模索した初期の代表作「夕陽」(1912年)や「外套着たる自画像」(同年)は、明るくのびやか。赤い裳をまとう「麗子裸像」(20年)は、聖徳太子二歳立像から着想を得たと伝わる。細い腕の描写からも仏教美術の影響がにじむ。裸像は数多い麗子像の中で珍しく、本作は知られる限り唯一の水彩画という。

 同じ主題の3作目となる「壺」(17年)は、先の2作より抑制した筆致と色使いで「存在の神秘」に迫る。京都在住時に描いた「舞妓図(舞妓里代之像)」(26年)は、肉筆浮世絵の影響が色濃く表れ、日本の美を「デロリ」と称して追い求めた劉生の名作だ。

 主な作品の購入価格は、舞妓図(舞妓里代之像)=2億円▽麗子裸像=1億5000万円▽壺=1億2000万円▽壜と林檎と茶碗=同▽外套着たる自画像=1億円-など。コレクターの理解で値段を抑え、一部は寄贈してもらった。「市場に出た場合の半値以下」とみられるという。(小林伸哉)

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