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路上でお酒を飲む男性たち。飲食店に対する酒類の提供自粛要請で、街角で酒と歓談を楽しむ人たちがみられるようになった=4月30日夜、神戸市中央区(撮影・鈴木雅之)
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路上でお酒を飲む男性たち。飲食店に対する酒類の提供自粛要請で、街角で酒と歓談を楽しむ人たちがみられるようになった=4月30日夜、神戸市中央区(撮影・鈴木雅之)
屋外ベンチでの飲酒の自粛を求める掲示物=神戸市中央区
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屋外ベンチでの飲酒の自粛を求める掲示物=神戸市中央区

 昨年に続き、今春も新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言が発令された中、1年前の宣言下と違う光景が、「路上・公園」で飲酒する人たちの姿だ。兵庫で酒類を提供する飲食店に休業要請が出る中、神戸・三宮の繁華街周辺では、購入した酒を手にした人たちが集まる“行きつけ”の路上スポットが出現。屋外であっても会話を伴う飲酒は感染のリスクがあり、神戸市は街頭パトロールに乗り出すが、効果的な抑止策を見いだせない。(井上太郎)

 「息抜きも必要。ささやかな楽しみを奪わないで」

 大型連休が始まる直前の4月28日夜、JR三ノ宮駅から徒歩5分ほどにある同市勤労会館の前。雨の中、建物で囲まれた広場では屋根のある通路の下で、男女3人が缶チューハイを片手に「路上飲み」をしていた。

 男女は20~40代の接客業で、「常に感染リスクと隣り合わせ」の1年間を過ごした。コロナ禍の前は店で飲酒していたが、この1年は時折、路上で酒を1~2時間飲んでから帰り、気晴らしにしているという。

 この広場は人目につきにくく、日が暮れるとスーツ姿の会社員らがやってきて、マスクをあごの下にずらして飲酒し、会話する。3人のうち、40代の女性は「高齢の親が同居しているので感染はしたくない。ここは店よりも密ではないから安心」と語る。

 神戸市内では酒類を提供する飲食店には感染が拡大した今年1月以降に時短営業が、今回の緊急事態宣言では休業が要請された。ただ、コンビニやスーパーは酒類を販売しているため、近場で酒を買い込んで路上や公園で飲む人たちが後を絶たない。これを受け、コンビニ大手ローソンは兵庫を含む7都府県の店舗でポスターによる啓発を始め、大阪市の大阪城公園にある6店舗では酒類の販売中止に踏み切った。

 神戸市も対策として、道路管理課員らが徒歩や広報車の放送で路上飲みの指導巡回を始めた。だが、「指導といってもあくまで『お願い』。強制力はないので…」と担当者。「少しでも抑える努力はしたい。ただ、この現象にこだわるより、やっぱり肝心なのは病床確保やワクチン接種を進めること」とこぼした。

 一方、理化学研究所のスーパーコンピューター「富岳」を使った飛沫(ひまつ)の解析では風の影響も踏まえて「屋外が低リスクとは限らない」との結果が出ている。また、現在は感染力が強い変異ウイルスが広がり、密閉、密集、密接の「3密」でなくても感染の恐れはつきまとっている。

 社会規範と迷惑行為に詳しい金城学院大(名古屋市)の北折充隆(きたおりみつたか)教授(社会心理学)は「どうしても集まってお酒を飲みたい人たちは一定数がいる。だが、根本的には、飛沫による感染リスクを考えるべきところを、『屋外の換気のよさ』や『ごみのポイ捨て』という別の問題にはき違え、都合よく解釈しているようにもみられる」としている。

【記事特集リンク】新型コロナウイルス

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