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大規模なクラスターが発生した介護老人保健施設「サニーヒル」=8日午後、神戸市長田区大日丘町3(撮影・秋山亮太)
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大規模なクラスターが発生した介護老人保健施設「サニーヒル」=8日午後、神戸市長田区大日丘町3(撮影・秋山亮太)

 入所者や職員計133人の新型コロナウイルス感染が明らかになった神戸市長田区の介護老人保健施設「サニーヒル」。感染した入所者97人の4分の1を超える25人が死亡し、うち23人は入院できないままだった。1施設でこれだけの人数が亡くなった背景には、感染力が強く重症化しやすい可能性がある変異株の流行、介護施設特有の環境、医療逼迫といった条件が重なったことがあるとみられる。

 「25人が亡くなり、非常に重く受け止めている。大変ショックだ」。7日の会見で、神戸市健康局の熊谷保徳副局長は言葉を振り絞った。4月18日から5月6日にかけて亡くなった25人は、70代の1人を除いて全員80歳以上だった。市は施設で死亡した23人について「容体が悪化し、入院調整中に亡くなった人が大部分」という。

 変異株は感染力が強く、急速に容体が悪化する傾向があるとされる。神戸市内では連日感染者が200人程度確認されているが、症状が極めて重い10~15人程度しか入院できない状況という。医療関係者によると「信じられない数字」という。

 介護施設に入所している感染者について、市は「医療機関としての側面もある」として基本的に施設内での療養を指示している。サニーヒルでは医師3人、看護師16人が対応し、投薬や酸素投与といった治療を施した。

 市の保健師に加え、厚生労働省の地域支援班の医師らが施設に入り、連日助言や指導をしていた。だが、重症者への対応は困難で、職員の人数も不足していたとみられる。

 介護などの福祉施設では昨年末からクラスター(感染者集団)が多発。サニーヒルでは4月14日、入所者に1人目の陽性者が判明すると、10日間で感染者は100人を超えた。入所者、職員の接触を介して、一気に広がったとみられる。

 施設には4月16日時点で、133人が入所し、うち61人は認知症患者だった。そのため、マスク着用の徹底が難しく、アルコール消毒も十分でなかった。職員の入所者への介助は身体接触を伴うほか、入所者が集う食事の場や、職員が使う休憩室でも感染リスクがあったとみられる。(井川朋宏)

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