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防護服を着て障害者と向き合う看護師。クラスターが起きないよう神経をとがらせる=神戸市北区しあわせの村、にこにこハウス医療福祉センター
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防護服を着て障害者と向き合う看護師。クラスターが起きないよう神経をとがらせる=神戸市北区しあわせの村、にこにこハウス医療福祉センター
入所者をケアする介護職員。感染防止で重圧がのしかかる=神戸市北区山田町小部、六甲の館
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入所者をケアする介護職員。感染防止で重圧がのしかかる=神戸市北区山田町小部、六甲の館
ねぎらいのメッセージ。一斉メールで介護スタッフに届く=神戸市北区山田町小部、六甲の館
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ねぎらいのメッセージ。一斉メールで介護スタッフに届く=神戸市北区山田町小部、六甲の館

 新型コロナウイルスの「第4波」が猛威を振るい、ワクチン接種も遅れる中、重症化しやすい高齢者や障害者らに寄り添う福祉施設の介護・看護職員のケアを巡り、支援が広がりつつある。職員は体を近づけて高齢者らと接するため「密」を避けられず、感染やクラスター(感染者集団)の恐れが常にある。不安を少しでも和らげるため、福祉関係者が励ましの手紙を募ったり、困り事の解消に必要なサービスを提供するプロジェクトを立ち上げたりして支える。(佐藤健介)

 「仕事を通じて近づかざるを得ないときもある」「自分が原因でクラスターになったら」-。介護・看護職員らの不安は大きい。

 「一呼吸置くと立ち上がれなくなりそうな恐怖感もある」「子どもの幼稚園のママが、家族の命を優先して家にいるべきだとメッセージを送ってきた」

 全国から寄せられた手紙に苦悩や共感が記されている。

 昨春始まった「ケアレター」。ケアの仕事に就く人から同業の人に宛てた手紙を募ってウェブサイトに掲載する。介護や福祉に携わる有志による取り組みだ。

 「大事にしているエネルギー源は『笑い』」「長いこと食堂をやっていた認知症の方が『よく働いた手でしょう?』と見せてくれた」といった心温まるメッセージも寄せられる。

 企画・運営する慶応大学大学院の堀田聡子教授(ケア人材政策)は「不安や悲しみと喜び、心にあることを文字として表し、閲覧する方もその思いを分かち合うことで、癒やしにつながれば」と意義を話す。

 介護・看護職員らの悩みは、感染者を出せないというプレッシャーだけではない。業務の過密さ、頻繁な手指消毒に伴う肌荒れ、自粛による息抜きの制限など悩みや困り事も抱える。

 インターネット上では2月、ケアワーカーと呼ばれる介護・福祉従事者らにスイーツや化粧品、家事代行サービスなどを提供するプロジェクト「#ケアワーカーをケアしよう」が立ち上がった。

 商品やサービスを提供する賛同企業を募り、クラウドファンディングで必要費用を集めた。発起人で、介護人材の育成支援会社を営む秋本可愛(かあい)さん(30)は「ケアする側とされる側の立場が固定されず、頼り合える『ケアの循環』が社会に広がれば」と期待する。

     ◆     ◆

■「自らの頑張りに目向けて」 神戸の施設、職員の個別面談も

 福祉施設側も介護・看護職員らを励ます。

 「寄り添う介護をするために必要なときもある。うつしてはいけないと分かっているけど…」

 4月末、特別養護老人ホーム「六甲の館」(神戸市北区)。リハビリを兼ねて食事で使うおしぼりをたたむ高齢者を、そばで手伝っていた介護職員の女性(17)は不安を漏らした。

 施設には、マスクを嫌がって外す認知症の入所者も多い。

 <尽力に感謝>-。同ホームの溝田弘美施設長(57)はメールや手紙で職員を励ましてきた。「不安で辞めてしまうと利用者さんが寂しがるなど誰のためにもならない」と懸念し、「自らの頑張りに目を向けられれば気持ちは落ち着く」と話す。

 特別養護老人ホーム「花の森」(同市垂水区)では、看護師が発熱した入所者を医療機関に連れて行った際、受診前にPCR検査を受けることになり、結果が出るまで付き添った。いつ感染してもおかしくない状況の中、疲れが見える職員には個別面談を行う。

 長友幹夫施設長(40)は「ねぎらいの言葉が大事」とし、「仕事を同僚と分け合うような進言を心掛ける。『ありがとう』『頑張り過ぎないで』と言える風土を築きたい」と強調した。

 重度心身障害児者療育施設「にこにこハウス医療福祉センター」(同市北区)では、職員が食事休憩の時もしゃべらず、私的な外食も行かない。河崎洋子施設長(52)は「職員は日々つらい思いをしている。クラスターを防ぐ対策は尽くすべきだが、『個人でコロナにかかっても仕方ない』と伝えるようにしている」と語った。

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