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宝塚市が提供している英語や中国語、ベトナム語、韓国語のワクチン接種の案内パンフレット(撮影・長嶺麻子)
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宝塚市が提供している英語や中国語、ベトナム語、韓国語のワクチン接種の案内パンフレット(撮影・長嶺麻子)

 外国人住民が多い自治体で、新型コロナウイルスのワクチン接種へのサポート態勢が懸念されている。「スムーズにいくか、ふたを開けてみないと分からない。細やかな対応の必要性を想定できているか」(愛知県の支援団体)と危ぶむ声も上がっている。

 在留外国人が東京都に次いで多い愛知県。4月14日、名古屋市中区の中保健センターで80歳以上への接種が始まった。人工知能(AI)通訳機「ポケトーク」が配備されるはずだったが、会場には届いていなかった。

 案内や予診票は日本語のみ。担当者は「ポケトークは同じ建物内にあるので、必要であれば、いつでも取りに行ける」と釈明、通訳機以上の対応は今後検討するとした。

 医療従事者、高齢者の接種が同時に進み、大勢の市民がその後に控える。ワクチン供給の動向を見極めつつ、接種会場や人手の確保に奔走する自治体は、外国人対応まで手が回らないのが実情のようだ。

 厚生労働省は予診票の翻訳を16言語で公表している。「多文化共生リソースセンター東海」(名古屋市)の土井佳彦代表(41)は「翻訳を見て回答欄をチェックするだけならいいが、基礎疾患などを日本語で記述できるか」と心配。多言語のコールセンターで事前相談に応じ、回答例の翻訳を会場に準備する細やかな対応が必要とみる。

 群馬県太田市にはブラジル、ベトナム、ペルー国籍などの外国人約1万2千人が住む。ワクチン接種の「コーディネーター制」を導入、職員約90人が接種者に連絡し、予約も手助けする。日本語で意思疎通が難しければ、国際関係の課に応援を頼む手はずだ。担当者は「手間はかかるが、確実性を優先し、個別対応しかないと判断した」。

 交流協会を通じた情報提供も予定するが「いつごろ接種を始められるのか、はっきりせず、周知時期が難しい」と苦慮する。

 愛知県で中国人高齢者らを支援する王栄さん(56)は、情報交換に使われるスマートフォンのアプリは中国人なら「微信(ウィーチャット)」、ベトナム人はフェイスブックと出身国で種類が異なると解説。「国籍別のアプリを見極め、発信すると伝わりやすい」と提案する。

     ◇     ◇

■外国人への対応、兵庫県は「今後検討しなければ」

 兵庫県には外国人約11万5千人が暮らす。このうち約3千人が住む宝塚市は外国人対応にいち早く取り組み、ワクチン接種のコールセンターでは英語、中国語、ベトナム語を話せるスタッフが対応している。

 ホームページで公開する電話予約用のチラシは、やさしい日本語を含む計5種類を用意。どういう封筒で書類が届くかを写真で示したり、接種の手順をイラスト付きで紹介したりしている。

 一方、約5万人が暮らす神戸市は準備の途上だ。外国人が多い中央区、東灘区などの接種会場で、副反応などが起きた際の対応のため、英語や中国語、ベトナム語などを話せるスタッフの配置を検討する。

 外国人でも分かりやすいチラシ作成や、神戸国際コミュニティセンターと連携し、外国人コミュニティーを通じた周知を調整していくという。同市ワクチン接種対策室の担当者は「日本語が話せない若年層の外国人にも、広く理解してもらえるよう丁寧に対応していきたい」と話す。

 外国人への対応は現在、市町に任されているといい、県ワクチン対策課は「今後検討していかないといけない」としている。(井川朋宏)

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