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神戸市内各地で同時多発するクラスターへの対応を話し合う保健師。連日激務が続き、広報に向けた事務作業が追い付かなくなっている=14日午前、神戸市役所(画像の一部を加工しています)
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神戸市内各地で同時多発するクラスターへの対応を話し合う保健師。連日激務が続き、広報に向けた事務作業が追い付かなくなっている=14日午前、神戸市役所(画像の一部を加工しています)

 新型コロナウイルス感染の「第4波」以降、神戸市で発生したクラスター(感染者集団)や死者数などの公表が大幅に遅れている。保健師らの業務の逼迫に加え、変異株の拡大で死者の家族も感染者になるケースが増え、確認作業が滞っているという。公表の遅れは感染実態の誤認にもつながりかねず、市は「保健所などの体制を拡充するほか、情報の出し方を改めたい」としている。

 市によると、9日時点の市内のコロナ患者の死亡届け出数は、今年2月末までの第1~3波で計205人、3月以降の第4波で167人だった。ところが、同日時点で市が発表した死者は計274人で、98人が公表できていなかった。

 未公表分は感染が急拡大した4月中旬以降の死者。公表が遅れた理由について、市は「遺族の心情に配慮し、死亡の3日~1週間後に了承を得るようにしていた。だが、感染者が急増し、確認や公表の作業が滞ってしまった」と釈明した。

 4波では、変異株の影響で死者の家族も感染し、入院や自宅療養をしているケースも増えた。このため、了承を得るのにさらに時間を要しているという。

 公表の遅れは死者数だけではない。神戸市長田区の老健施設で133人が感染し、28人が死亡した大規模クラスターでは、市は4月15日に公表基準となる5人以上の感染を確認したが、記者発表は3週間後の5月7日だった。

 同施設では感染した入所者の大半が入院できず、施設内感染が日を追うごとに拡大。患者の調査や健康管理、感染防止の指導などで保健所が手いっぱいとなり、その後の事務処理まで手が回らなかったという。

 発表の数日前から、会員制交流サイト(SNS)ではクラスターの情報が拡散。「公表せず隠していたなんて」「どうしてニュースとして流れないのか」などのコメントが相次いだ。7日に会見した市健康局の幹部は「公表しなかったのではなく、できなかった」と明かした。

 新規感染者の症状や経過といった追加情報の公表も遅れている。市は前日正午から当日正午までの24時間に、主治医などから提出された新規感染の届けに基づき、患者の陽性確定日と年代、性別を一覧にして毎日午後2時に速報している。以前はその後の疫学調査に基づき、追加情報をホームページなどで随時更新していたが、昨年12月ごろから作業が滞っている。

 優先的に発表してきた学校園や介護施設、病院などの患者の追加情報も、4月下旬からクラスターや市の職員に限定。それでも公表が追い付いていない。発表時点で患者が既に職場に復帰しているようなケースも相次ぐ。

 市は来年4月までに保健師を約50人増やし、300人体制に拡充する予定。死者は了承を得られていない人も含め、人数は公表するなど情報の出し方を改める方針という。(三島大一郎、長谷部崇)

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