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「小学6年のとき学芸会に出て映画女優になりたいと思った」と明かす吉永小百合=大阪市内(撮影・三津山朋彦)
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「小学6年のとき学芸会に出て映画女優になりたいと思った」と明かす吉永小百合=大阪市内(撮影・三津山朋彦)
「咲和子がなかなか抜けないので次作はまだ考えられない」という吉永小百合(左)。成島監督はコロナ禍で芸術を取り巻く厳しい状況に触れ「早く安心して映画を楽しめる環境が戻るといいですね」=大阪市内(撮影・三津山朋彦)
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「咲和子がなかなか抜けないので次作はまだ考えられない」という吉永小百合(左)。成島監督はコロナ禍で芸術を取り巻く厳しい状況に触れ「早く安心して映画を楽しめる環境が戻るといいですね」=大阪市内(撮影・三津山朋彦)
映画の一場面((C)2021「いのちの停車場」製作委員会
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映画の一場面((C)2021「いのちの停車場」製作委員会
映画の一場面((C)2021「いのちの停車場」製作委員会
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映画の一場面((C)2021「いのちの停車場」製作委員会
映画の一場面((C)2021「いのちの停車場」製作委員会
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映画の一場面((C)2021「いのちの停車場」製作委員会

 吉永小百合122本目の出演作となる映画「いのちの停車場」(成島出監督)が、21日から神戸市中央区のOSシネマズミント神戸などで公開される。自身がぜひにと願って実現した初めての医師役。指導的立場の救急医から在宅医に転身、戸惑いながらも患者に寄り添う咲和子を演じている。専門用語が多く苦労したというが「新しい役への挑戦は俳優にとっては楽しみであり、この仕事の大きな魅力」と手応えを語る。(片岡達美)

 東京の大病院で救急医療に携わってきた咲和子は、若手事務職・野呂(松坂桃李)のミスをかばった結果、故郷・金沢の小さな仙川(西田敏行)が院長の在宅医療診療所に勤務することに。訪問看護師の麻世(広瀬すず)に、咲和子を追ってやって来た野呂がスタッフに加わる。末期の肺がんを患う芸者(小池栄子)や、寝たきりの妻の介護に疲れて治療に非協力的な男性(泉谷しげる)、小児がんで死期が迫る8歳の少女とその母(南野陽子)…。さまざまな状況にある患者や家族と出会い、最善の策を模索する。

 脳死問題を扱った成島監督の「孤高のメス」(2010年)を見て吉永は「自分も医師役で出たいと監督にオファーしていた」。ふさわしい題材が見つかるまで10年待ったが、医師で作家の南杏子さんの同名小説を原作にすることで希望をかなえた。

 撮影を前に、役作りのため病院で指導を受けることになっていたが、コロナ禍で訪問が難しくなり、逆に医師らが撮影所に出向いてくれた。「命を助ける救急医、命に寄り添う在宅医、それぞれの立場を理解するのに役立った」

 映画の終盤、病気で寝たきりになった父(田中泯)が安楽死を求め、咲和子は苦悩する。「どう演じたらいいか、ずっと悩み続けた。いくら考えても答えがみつからない。いっそその状態をそのまま出そう」と撮影に臨んだ。成島監督は「ベテランの俳優は考えてしまいがちだが吉永さんは真っ白な状態だった。そこに奇跡が起こったと思った」と絶賛する。

 吉永自身に苦い経験がある。実父が食事中の事故で脳死状態になり、3カ月入院。どうするのが一番いいのかわからないまま見送ったという。「最期を一緒に考えてくれる医師がいたら何かが違っただろうと今は思える」と振り返る。

 「どう死ぬかを考えることは、いかに生きるかを考えることに通じる」と吉永。「あらためて命は宝物だと思う」とかみしめるように話す。「コロナ禍の今、この映画がそのことを考えるきっかけになれば」と願う。

   ◇

 製作総指揮の岡田裕介・東映会長が昨年11月亡くなった。映画「動乱」(1980年)以来、吉永の主演作のほとんどを製作してきた岡田さん。「次回作もぜひお願いしたいと思わせてくれるような映画もあれば、中にはこれは勘違いだったという作品もあった」と振り返る。「あわてんぼうだから停車場に止まらず天国へ行ってしまわれた。あちらでにぎやかにされているでしょうけれど、かなうなら戻ってきて、また一緒に仕事をしてみたい」としみじみ語った。

   ◆

 吉永とは2014年、ある喫茶店を舞台にした「ふしぎな岬の物語」でタッグを組んだ。17年、肺がんを患った成島監督。苦しい入院生活の中、吉永から「早く元気になって、また一緒に映画を作りましょう」と手紙をもらった。「どんな抗がん剤より、僕には効果があった」。自身の闘病経験、そのときに感じたことや、周りの風景などが本作に反映されているという。

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