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大量の空き缶や食品の容器を回収する難波久芳さん=5月下旬、神戸市中央区波止場町
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大量の空き缶や食品の容器を回収する難波久芳さん=5月下旬、神戸市中央区波止場町
トイレの手洗い器の上に放置されたチューハイの空き缶など(難波久芳さん提供)=神戸市中央区波止場町
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トイレの手洗い器の上に放置されたチューハイの空き缶など(難波久芳さん提供)=神戸市中央区波止場町
自動販売機前の通路上に散乱した食品容器や酒の空き缶(難波久芳さん提供)=神戸市中央区波止場町
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自動販売機前の通路上に散乱した食品容器や酒の空き缶(難波久芳さん提供)=神戸市中央区波止場町

 「メリケンパークがめちゃくちゃです」。3回目の緊急事態宣言下、神戸新聞の双方向型報道「スクープラボ」に、神戸・メリケンパークで毎朝ごみ拾いを続ける男性(52)から投稿が寄せられた。酒の空き缶や空き瓶、食品の容器が大量に放置されているという。飲食店の休業、酒類提供中止が長引く中、社会問題化する路上・公園飲み。ミナト神戸の観光スポットが、なぜこんなことになってしまったのか。男性のごみ拾いに同行し、確かめてみた。(井上太郎)

 5月下旬の日曜日、午前5時半。梅雨の晴れ間、青い空と海を見渡しながら芝生を踏みしめるすがすがしい気持ちは、公園内を歩きだすと間もなく消えうせた。あちこちでチューハイやビールの空き缶、ウイスキーの空き瓶などが転がっている。飲み会の痕跡だ。

 公衆トイレ前で、大きなごみ袋とトングを持ったスポーツウエア姿の男性と合流した。近所に住む美容師の難波久芳さん。日課のランニングでメリケンパークを通るが、飲食物のごみが目につくようになり、昨年9月ごろからごみを拾い始めたという。

 「これ、見てよ」と促す難波さんについて、男性トイレに入る。小便器の前の壁際に、焼酎の空き瓶やビール、チューハイの空き缶が5、6本並んでいた。「こっちもな」。個室をのぞき、扉の裏に置かれた空き缶と弁当の容器も回収。「隠すってことは、罪悪感あるんでしょうね」

 自動販売機が並ぶ神戸海洋博物館前では、缶瓶専用のごみ箱に、容器やビニール袋のごみが無理やり詰め込まれていた。チェーン店のハンバーガーにピザ、韓国料理店のチキン…。そばには、ワインの空き瓶が3本転がっていた。

 難波さんはごみ拾い仲間の男女2人とすれ違い、あいさつ代わりに一言「今日も多いなあ」。この日は約1時間で45リットルのごみ袋6袋分を拾った。内訳は、ジュースを含む缶瓶が2袋、容器などの可燃ごみが4袋。公園の清掃業者に引き渡し、作業を終えた。

   ◇

 実は、神戸市は今回の宣言期間から、メリケンパークでの「公園飲み」対策に乗り出している。神戸港管理事務所によると、15分に1回のペースで飲酒を控えるように放送で呼び掛けているほか、夜間は2、3時間おきに警備員が2人一組で巡回し、目を光らせる。

 ただ、「大人数で盛り上がっている集団は、からまれるリスクがあるので正直、声をかけづらい」と、担当者。指導に強制力がないため、悪質なほど手を打てないというジレンマを抱えているらしい。

 メリケンパークでは、今回の宣言前から利用マナーやごみの問題が表面化していた。昨年11月、難波さんは「鍋パーティー犯」の痕跡を確認。土鍋とカセットこんろ、余った食材ごと放置されていた証拠写真を示しながら、「アホちゃうか、としか言いようがない」とため息をついた。

 今年4月からの宣言は2度の延長で長期化し、ごみの量も「徐々に増えていってる感じがする」という。

 同行した日から1週間後の5月30日、難波さんから件名「過去最高」のメールが届いた。添えられていたのは、10袋分を超えるごみの写真。無言の本文に、ぶつける先のない怒りがにじんでいるようだった。

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 神戸新聞社は、読者の投稿や情報提供を基に取材を進める双方向型報道「スクープラボ」に取り組んでいます。身近な疑問や困りごとから、自治体や企業の不正告発まで、あなたの「調べてほしい」ことをお寄せください。LINEで友だち登録(無料)するか、ツイッターのダイレクトメッセージで投稿できます。皆さんと一緒に「スクープ」を生み出す場。ご参加をお待ちしています。

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