1年の幸せを祈願する「兜跋(とばつ)毘沙門まつり」が3日、兵庫県丹波市氷上町清住の達身寺であった。勝負の神様として知られる兜跋毘沙門天と、その妻吉祥天女の像を安置する毘沙門堂が公開され、拝観者は手を合わせ、縁起物の福笹やお守りなどを買い求めた。
毎年1月3日に営まれる同寺の伝統行事。同寺には16体の兜跋毘沙門天像があり、うち1体が、普段は原則非公開の毘沙門堂に安置されている。
渡邊正規副住職(45)によると、兜跋毘沙門天は、かつて西域にあった兜跋国が戦で負けそうになった際に出現し、敵兵が退いたという逸話から、勝負の神様といわれるようになったという。同寺では吉祥天女と対で拝観できるため、夫婦円満の御利益もあるとして、地域で親しまれてきた。
この日は午前6時ごろから法要があり、新型コロナウイルスの収束も祈願された。参拝した同市の主婦(76)は「今年は、コロナで去年中止になった日本舞踊の発表会に出演したい」と話した。(真鍋 愛)
