「あの山、ハート山って呼ばれとんやで」。2年前の春、兵庫県丹波市青垣町桧倉で、積雪すると出現するという“ハート山”なる山の話を耳にした。昨冬は暖冬で私は拝めず、「ほんまかいな」と思い始めていたが、今季ついにうわさの山を目にした。「めっちゃハートやん!」(真鍋 愛)
ハート山の正体は、桧倉地区で「大道(おおど)」と呼ばれる林の伐採跡に積もった雪。地元の男性(73)によると、元は同地区の共有林で、公民館の屋根の改修に使うため木を伐採したところ、ハート山が出現するようになったという。「でも麓やから、桧倉の者は誰も分からんでねぇ。山が見える稲土(地区)の人に言われて、初めて気付いたんよ」
一方、同市の別の男性(73)は「実は稲土の者も、最初はハート形と思っていなかった。見慣れすぎていて」と明かす。10年ほど前に同地区に越してきたIターンの住民が「ハート山」と呼び始め、「『そうかも』と思うようになった」という。同地区には約3年前、ハート山を背景に写真撮影ができるよう、菅原公民館(同市青垣町稲土)の裏手に、木製のスマートフォンスタンドが設置された。
ちなみに、稲土ではこの年末年始に約50センチの積雪があり、車を出すのも一苦労だったそう。災害が起こらず、ハートの形が長持ちするぐらいの量の雪が降ればなぁ…。思わず、ハート山に手を合わせた。
