篠山城跡南堀(兵庫県丹波篠山市北新町)で一度は姿を消したハスの群落が、昨年は堀全体の2割を覆うほどまでに復活を果たした。市や市民らが取り組むハスの再生プロジェクトは、生物多様性の保全への貢献をたたえる「日本自然保護大賞2021」に入選した。(金 慶順)
かつて南堀では全面を埋め尽くすほどのハスが群生していたが、05年ごろに突然消滅。ミシシッピアカミミガメによる食害などが原因とされる。
市や市民、事業者、神戸大学などは15年に「農都ささやま外来生物対策協議会」を発足させ、外来生物の駆除などを進めた。地元の篠山小学校児童もレンコンの移植に取り組み、19年夏、消滅以来初めてハスが開花した。
20年は春から秋にかけて群落がどんどん広がり、5月時点で約640平方メートルだった群落が、10月には堀全体の2割にあたる約2600平方メートルまで成長。駆除活動の成果でアカミミガメの数は激減しているといい、市農都環境課は「順調にいけば今年は6割、来年は堀全面に広がるのでは」とみている。
日本自然保護大賞には全国から129件の応募があり、26件が入賞、入選した。
