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丹波市と神戸大学が開く「頭と体のための健康教室」=柏原住民センター
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丹波市と神戸大学が開く「頭と体のための健康教室」=柏原住民センター
指導する理学療法士の乗船雄太さん(左)と山中亮二さん。動画投稿サイトユーチューブの「一期一会らくしよ」チャンネルでも体操を紹介している
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指導する理学療法士の乗船雄太さん(左)と山中亮二さん。動画投稿サイトユーチューブの「一期一会らくしよ」チャンネルでも体操を紹介している
参加者に貸与される腕時計型端末とiPad=丹波市氷上町石生、丹波市健康センターミルネ
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参加者に貸与される腕時計型端末とiPad=丹波市氷上町石生、丹波市健康センターミルネ

 「では、好きな俳優の名前を言いながら万歳をして、椅子から立ちましょう」。兵庫県丹波市内の体育館に集まったジャージー姿の高齢者が、インストラクターと体操に励む。2020年秋に全国4カ所で始まった認知症予防に関する国内初の共同研究の一場面だ。東京都、神奈川、愛知県の大都市圏に並び、「田舎代表」として同年10月から参加している同市。研究の最前線をのぞいた。(真鍋 愛)

■市と神戸大が運営「健康教室」 専門家の指導で体操

 「高倉健!」「北大路欣也!」。インストラクターの掛け声に合わせ、おじいちゃん、おばあちゃんが手を上げて、椅子から立ち上がる。回数を重ねていくと「もう思い浮かばへん」。参加者から笑顔があふれる。

 同市柏原町柏原の柏原住民センター。同市と神戸大が共同運営する「頭と体のための健康教室」はいつも盛況だ。「考えながら体を動かす」をコンセプトに、毎週火-木曜日、午前と午後に開かれる。

 水曜日午後の部に参加しているのは66~85歳までの男女13人。訪問看護ステーション縁(ゆかり)(赤穂市)の理学療法士、山中亮二さん(44)と乗船雄太さん(31)がインストラクターを務める。介護予防認定理学療法士の資格を持つ2人は、2カ月ごとに「転倒予防」「腰痛予防」などのテーマで、90分にわたって指導する。

 体育館で行われたのは、椅子に座ったままで数を数えながら足踏みをし、膝に反対の手で触れる運動。難易度は徐々に上がり、第2段階では3の倍数で手をたたく、第3段階では5の倍数で万歳をする動作が加わる。山中さんは「間違ってもいい。考えながら体を動かすことが大切なんです」と話す。

 教室が始まって約半年。参加者の脱落率はわずか約5%で、研究者も一目置く。「市主体の献身的なサポートが効果を発揮しているのでは」と分析する。参加した女性(72)は「体操の後は体が軽い。先生の指導も楽しいし、どんな用事があっても教室への参加を優先している」と笑顔を見せた。

■ゲームアプリ使い脳トレ 腕時計型端末で体調記録、データ調べ効果検証へ

 認知症予防研究は体操のほか、iPad(アイパッド)を使った脳トレの効能も調べている。

 参加者1人に1台貸与されたアイパッドには、2種類のゲームアプリをダウンロード。一つは端末操作に慣れるためのモグラたたき。二つ目は、アメリカで開発された脳トレアプリ。やり込むごとに難易度が上がり、参加者からは「孫がゲームに夢中になる理由が分かる」などと好評だ。

 また、参加者には腕時計型端末の着用が義務づけられた。24時間の心拍数や歩数、睡眠時間などを自動で記録。そのデータは生活習慣指導などにも用いられる。

 認知症予防研究は、経済産業省と日本医療研究開発機構(AMED)などによる官民事業。AMEDから委託を受けた愛知県の国立長寿医療研究センター(長寿研)が陣頭指揮をとり、22年に終了する予定だ。兵庫県内では、神戸大と認知症予防教室に取り組んできた丹波市が選ばれた。

 参加しているのは、市内在住の65~85歳約200人。前後半2班に分かれ、神戸大独自の認知症予防プログラム「コグニケア」を取り入れた指導を約18カ月受ける。認知機能や身体機能、栄養状態などを半年に1回チェックし、その効果が検証されるという。

 長寿研は、結果を踏まえ、歩行できる人、できない人など、生活レベルに合わせた運動プログラムの構築を目指す。視察に訪れた長寿研の荒井秀典理事長は「最終的なゴールは、プログラムの全国展開。丹波の成果が、全国的に生かされる可能性がある」と話している。

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