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御嶽中腹のクリンソウ自生地で植生を調べる「多紀連山のクリンソウを守る会」メンバー=丹波篠山市火打岩
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御嶽中腹のクリンソウ自生地で植生を調べる「多紀連山のクリンソウを守る会」メンバー=丹波篠山市火打岩
見頃を迎えた御嶽の山中のクリンソウ=丹波篠山市火打岩
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見頃を迎えた御嶽の山中のクリンソウ=丹波篠山市火打岩
御嶽の山中にあるクリンソウの大規模な自生地=丹波篠山市火打岩
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御嶽の山中にあるクリンソウの大規模な自生地=丹波篠山市火打岩
御嶽の山中のクリンソウの群落=丹波篠山市火打岩
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御嶽の山中のクリンソウの群落=丹波篠山市火打岩
登山道から望む御嶽の山頂=丹波篠山市
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登山道から望む御嶽の山頂=丹波篠山市

 まさに「山中の別天地」だった。兵庫県丹波篠山市の最高峰である多紀連山の主峰・御嶽(みたけ)(793メートル)の中腹、標高約500メートルの湿地に、赤紫の花が咲き誇る。希少植物「クリンソウ」の大群落で、国内有数の自生地の一つである。保護活動に取り組む「多紀連山のクリンソウを守る会」(樋口清一会長)の男性(74)の現地調査に同行した。(堀井正純)

 クリンソウはサクラソウ科の多年草。茎に何段にも花が輪生する姿が、五重塔などの先端の「九輪」に似ていることから名付けられた。兵庫県版レッドデータブックでは「絶滅の危険が増大している」とされるBランクとなっている。

 御嶽の群落発見は2007年。登山中の篠山鳳鳴高のOBらが偶然小さな群生を目にし、専門家らが沢のさらに下流一帯を踏査したところ大群落を見つけた。

 現地へのルートは複数あるが、この日は同市丸山の登山口からスタート。途中の山道には、木々の間から、御岳の山頂が望めるポイントもある。

 男性によると、多紀連山では中世、修験道が栄えたが、室町時代に奈良・大峯山の僧兵の焼き打ちで山中の寺院は失われた。御嶽の登山道にも、岩のほこらに祭られた石仏や鳥居堂跡などの名残があり、自生地近くには山岳寺院・大岳寺(みたけじ)の跡がある。

 登山開始から約1時間半。山頂へと続く尾根筋を脇へそれ、谷へと少し降りると突如、森の中に鮮やかな赤紫と黄緑の花畑が出現した。「すごい!」。その美しさに、山歩きの疲れも一気に吹き飛んだ。

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 クリンソウは沢沿いの湿地6、7カ所に点在。青紫のフジの花との競演が楽しめる一画もある。「日差しを好む一方で、暑さや乾燥に弱い」と男性。花の株数は年によって変動があるが、多い年には約4300平方メートルに17万株が自生していたという。

 背丈が50センチ以上もある大型の花だけに、これだけの群落となると壮観の一言。赤紫と緑の対比も鮮烈だ。

 専門家らによると、大群落誕生の要因と考えられるのは、野生のシカの影響と、この地に伝わる「修験道」の歴史だ。

 シカの食害で、他の植物は減ったが、クリンソウはシカが嫌う有毒物質を含むため被害に遭わず、生育環境が整い、群落となったのではないか-と推測されるという。

 また群落の多くは沢辺の平らな場所に広がるが、男性は「人間が切り開き、平たんにした人工的な土地で、元は大岳寺の宿坊や塔頭(たっちゅう)が立っていたと考えられている。クリンソウも、もしかしたら、元々薬用に僧たちが栽培したものかも」と説明する。目の前の花畑が、ただ美しいだけでないことに、さらに感動が深まった。花の見頃は5月下旬ごろまでという。

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