丹波

  • 印刷
記者会見に臨む酒井市長(右端)ら=31日午後、丹波篠山市役所
拡大
記者会見に臨む酒井市長(右端)ら=31日午後、丹波篠山市役所

 兵庫県丹波篠山市内の集落を訪問・撮影した部落差別動画がネット上で公開され、動画共有サイト「ニコニコ動画」を運営管理するドワンゴ社(東京)に動画削除の仮処分命令が出された問題で31日、記者会見した丹波篠山市。酒井隆明市長や同市法務専門員の川嶋将太弁護士らが、市役所で質問に応じ「(動画で)今までの取り組みをないがしろにされた」「削除されたことは差別解消への一歩」などと、思いや主張を述べた。

 会見の主な一問一答は次の通り。

 -投稿動画が削除されたことへの受け止めは。

 酒井市長「自治体が主体となって裁判所に申し立て、動画を削除できたのは、差別解消に向けた一つの大きな取り組み。二度と同じようなことが起きないよう、動画などを扱う関係機関や企業も、内容をきちんと確認して掲載する必要がある」

 -市が主体的に取り組んだ理由は。

 酒井市長「丹波篠山市は他の自治体と比べても、部落差別解消など人権尊重のまちづくりに市民をあげて取り組んできた。今回は部落差別を助長するひどい内容で、今までの取り組みをないがしろにするようなもの。市としても削除に取り組む必要があると感じた」

 「被害を受けた集落が削除しようとすると、弁護士費用などが必要で、名前も出さなければならなくなり、ちゅうちょすることが多い。差別を無くしていくという市の責任として、削除に向けて動いた」

 -投稿者を特定しなかった理由は。

 川嶋弁護士「自治会から相談を受けた際、とにかく動画を早く削除してほしいという要望だった。投稿者の特定には時間がかかる。それに、相談時点では投稿者を特定し、損害賠償請求などの考えはないということだった」

 -今後の対応は。

 川嶋弁護士「ユーチューブで動画が削除された後、おそらく同じ投稿者とみられる人物が、ニコニコ動画に再度投稿した。削除後に、また違うサイトにアップするということが続くようであれば、投稿者を特定し、何らかの法的な措置をとる必要があると考えている」

 -実際に差別を助長する動画を投稿する人がいる。

 酒井市長「匿名でネットに差別動画を投稿するのは、ひきょうで正義に反する。動画を見て『いまだにこういうことをする人がいるのか』と、驚きと怒りがわいた。部落差別を面白がるようなものに思えて、法的措置には何のちゅうちょもなかった。また、堂々と立ち向かいにくい人をネットで差別するのは、表現の自由だからといって許されるわけではない」

 -今回の削除申し立てのポイントは。

 川嶋弁護士「通常であれば、該当地域に住んでいる個人が、名誉権やプライバシー権などを侵害された、となる。今回は人権問題に注力してきた丹波篠山市が、このような動画に対応せず放置していると思われること自体、市の名誉が損なわれる」

 -裁判にならないと動画削除をしない運営会社に対する印象は。

 川嶋弁護士「表現の自由などの観点から、簡単に削除できないのも分かるが、動画は出版物以上に拡散しやすい。全ての動画をチェックするのは難しいと思うが、差別の助長につながる動画は、できれば裁判を起こされる前に速やかに削除してもらいたい」

 -部落差別に関する教育はどうしていくのか。

 酒井市長「部落差別を教えない方がいいという考えもある。しかし、知らないことがかえって差別を生んでいくこともある。部落差別の歴史について正しく理解していく努力が必要と考えている」

丹波
丹波の最新
もっと見る

天気(6月23日)

  • 28℃
  • 22℃
  • 30%

  • 26℃
  • 18℃
  • 30%

  • 29℃
  • 22℃
  • 30%

  • 28℃
  • 21℃
  • 30%

お知らせ