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開花した竹の花。茶色や緑色のとげとげの塊から、糸の様に細い白い管が飛び出している=丹波篠山市泉、かね徳篠山工場
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開花した竹の花。茶色や緑色のとげとげの塊から、糸の様に細い白い管が飛び出している=丹波篠山市泉、かね徳篠山工場
花が咲いた竹と同じ敷地にある竹=丹波篠山市泉、かね徳篠山工場
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花が咲いた竹と同じ敷地にある竹=丹波篠山市泉、かね徳篠山工場
開花した竹。枯れたようにも見える=丹波篠山市泉、かね徳篠山工場
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開花した竹。枯れたようにも見える=丹波篠山市泉、かね徳篠山工場

 「かね徳という芦屋の珍味屋さんの篠山工場で、竹の花が咲いたそうです」。梅雨空のとある午後、営業職の同期から届いたメールを見て、戸惑った。「竹に花が咲くの?」。「竹 花」でネットで検索すると、「120年に1度咲く」との情報が。これは見逃せない。かね徳篠山工場(兵庫県丹波篠山市泉)に向かった。(真鍋 愛)

 案内されたのは、工場敷地内にある立派な日本家屋。社員研修や商談などに使う施設で、「クラブハウス」と呼ばれているそうだ。花が咲いた竹は、クラブハウスの門をくぐってすぐの一角に生えていた。

 「どれが花?」。思わず首をかしげた。観察してみると、茶色や緑色のとげとげの塊から、糸の様に細い白い管が飛び出している。管の先には、黄色い房。葉は一部が枯れていた。

 「このとげとげ全体が花のようですよ。房はおしべらしいです」。花の発見者で、同施設を管理する鳥居健志さん(62)が教えてくれた。鳥居さんが竹の異変に気付いたのは、6月上旬。茶色く変化していく様子を見て、最初は病気を疑った。心配になって調べると、花のようだと分かり、胸をなで下ろしたという。

 県立人と自然の博物館(同県三田市)の主任研究員、橋本佳延さん(45)=植物生態学=に竹の写真を送ると、竹は「クロチクの可能性が高い」との返信が。クロチクは、数十年周期で開花して枯死するハチクの変異種とする説もある。ただ、「クロチクがハチクの一斉開花枯死に同調する調査結果はない」という。

 橋本さんによると「120年に1度」はものの例えで、正確な開花周期は分かっていない。ハチクの一斉開花枯死現象は、2017年ごろから全国的に発生しており、研究者らが高い関心を示しているという。

 クラブハウスにクロチクが植えられたのは、41年前の建設時。花はかね徳の誰も見たことがない。東村克徳会長(81)は「昔は竹の花の開花を不吉と捉えていたようだが、一生に一度見られるか見られないかの貴重な花。会社にとっては吉兆だと信じている」と笑った。

■開花周期、解明に至らず 同じ場所の観察データ少なく

 非常に珍しいとされる竹の一斉開花枯死現象だが、開花の周期や原因解明には至っていないのが実情だ。

 県立人と自然の博物館の主任研究員、橋本さんは「竹の一斉開花はそもそも、規則的かどうかすらはっきりしていない」と話す。一斉開花するマダケやハチクを、同じ場所で観察したデータが少ないからだ。

 仮に開花周期を60年とすると、開花の規則性を調べるには最低でも、さらに1回確認する必要があり、検証には120年かかることになる。人間の寿命を考えると、当然難しくなる。

 橋本さんによると、六甲山の登山道でスズタケの開花が確認されたほか、三田市の住民からは園芸種の竹が開花したとの情報が寄せられたという。ちなみに、不吉の前兆とされる竹の花だが、「開花が病気によるもの、開花後に周囲で疫病がはやったなどの情報は確認されていない」(橋本さん)とのこと。2020年代は、ハチクなどの一斉開花が見られるチャンスといわれる。見つけたら怖がらず、楽しむ方が“吉”かもしれない。

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