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茅葺き屋根の葺き替えを終えた建物の前に立つ「いわや」の店主・岩本和也さん=丹波篠山市火打岩
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茅葺き屋根の葺き替えを終えた建物の前に立つ「いわや」の店主・岩本和也さん=丹波篠山市火打岩
長屋門の前で、自慢のせっけんなどを手にした「ささやまビーファーム」の松村社長=丹波篠山市北新町
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長屋門の前で、自慢のせっけんなどを手にした「ささやまビーファーム」の松村社長=丹波篠山市北新町
屋根の改修前の「長者屋敷」。コケや草も目立つ=丹波篠山市網掛
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屋根の改修前の「長者屋敷」。コケや草も目立つ=丹波篠山市網掛

 兵庫県丹波地方各地には、まだ多くの茅葺(かやぶ)きの民家や武家屋敷が残る。茅は通気性や断熱性に優れたエコロジカルな自然素材。欧州では持続可能な建築素材として注目される。日本の「原風景」ともいえる風情ある景観形成にも一役買っており、里山の貴重な財産ともいえる。一方で葺き替えなど、維持管理には手間と費用が必要だ。丹波篠山市内の「茅葺き屋根」をめぐる話題三つを紹介する。(堀井正純)

■2面を葺き替え「インスタ映え」/囲炉裏料理店「いわや」

 冬の味覚「ぼたん鍋」で人気の囲炉裏(いろり)料理店「いわや」(同市火打岩)は今夏、15年ぶりに茅葺き屋根2面を葺き替えた。築40年の木造建築で、店は約130平方メートル。今回は屋根の北面、西面を改修した。

 「法律の関係で、都会では、もうこんな建物はなかなか建てられへんのちゃうかな?」と店主の岩本和也さん(52)。茅はススキやヨシの総称だが、防火のため、都市部では新築の建物の屋根材としてほぼ使用が認められていないという。

 店は、先代店主だった父が1978年に開いた。市街地から離れた山里にあり、客は小さな囲炉裏の前で、炭火で料理を味わう。水は近くの湧き水。コシヒカリや野菜は店主自らが育てる。こだわりの味や自然を求めて、京阪神の都市部からファンが訪れる。

 葺き替えには、今年5月半ばから6月末まで約一カ月半を要した。「改修前は屋根にコケが増えて趣はあったけど。今は散髪したてのようで気分一新。やっぱりカッコええね」と屋根を見上げて岩本さん。「インスタ映えやね。お客さんが宣伝してくれる」と笑う。

 「うちは囲炉裏の煙でいぶされるから、茅も長持ちする方やけど。葺き替えの費用はやっぱり大変やね」と苦笑しつつも、「茅葺き屋根はうちのシンボル。これからも守っていきたい」といとしげに屋根を見つめた。

■幕末建築、養蜂店が活用/武家屋敷・長屋門

 丹波篠山市の城下町エリア。市役所の北にある武家屋敷(同市北新町)には、立派な茅葺きの「長屋門」が現存する。屋敷を借り受けた養蜂業者「ささやまビーファーム」(同市今田町下小野原)の松村まな社長(53)が今春から、この長屋門を店舗として利用している。

 長屋門は、門の扉口の両側に部屋が連なる形式の建造物。武家屋敷や富裕な農家などに見られる。店となった長屋門は広さ約20平方メートル。約150年前、幕末の建物という。

 店では、自慢の自家製ハチミツのほか、アロマスプレーやスキンケア製品などを販売。中でも、ヒノキなど市内の木材から抽出した油を原料にしたエッセンシャルオイルと、自家製ハチミツなどを調合した化粧せっけんは、丹波県民局から2018年度の「丹波すぐれもの大賞」に選ばれた逸品だ。

 今は軒下や入り口部分を店とし、週末のみの営業。今後は長屋門の内部も補修し、8月2日から店として本格オープンする。武家屋敷の母屋も改修する計画という。「篠山城跡にも近い好立地。茅葺きの建物はどっしりと風格があり、心が落ち着く。受け継いだ遺産を活用していきたい」と、松村社長は話している。

■「長者屋敷」全面改修始まる/古民家レストラン

 2019年5月にオープンした古民家レストラン「りょうり舎(や)やまゆ」(同市網掛)では、7月半ばから茅葺き屋根の全面改修が始まった。「長者屋敷」と呼ばれる市有の木造家屋。市が屋根の改修費約1240万円を負担する。

 建物は、同市野中にあった「大西家旧宅」で、江戸後期の建築とみられる。1988年に現在地に移築され、ホロンピア’88「北摂・丹波の祭典」で使用された。

 2005年から民間委託され、現在はヤマノイモなどを扱う「河南勇商店」がレストランを運営し、郷土料理を提供する。改修中もできるだけ営業を続ける予定。市によると、長者屋敷の屋根の全面葺き替えは、移築後初めて。

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