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画家の岸本吉弘さんが制作したふすま絵=鶏足禅寺
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画家の岸本吉弘さんが制作したふすま絵=鶏足禅寺
ふすま絵の間から見える境内の庭=鶏足禅寺
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ふすま絵の間から見える境内の庭=鶏足禅寺
制作途中のふすま絵(岸本吉弘さん提供)
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制作途中のふすま絵(岸本吉弘さん提供)
ふすま絵を手掛けた岸本吉弘さん(岸本吉弘さん提供)
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ふすま絵を手掛けた岸本吉弘さん(岸本吉弘さん提供)

 鎌倉時代から続く古刹・鶏足禅寺(けいそくぜんじ)(兵庫県丹波市青垣町遠阪)に、前衛的な抽象画のふすま絵が新調された。手掛けたのは、画家で神戸大大学院教授の岸本吉弘さん。木々や小川に囲まれた境内に、群青色と薄紅色、淡い黄色などを基調にした斬新な作品が目を引く。「古」と「新」の融合。山あいの禅寺に、独特の世界観が生み出された。(川村岳也)

 制作のきっかけは、同寺住職で美術家の平出全价(ぜんかい)さん(53)の依頼だった。禅の精神を表現する「禅画」を描く平出さんは、同大学院の岸本さんのゼミで現代アートを学ぶ。1年半ほど前、平出さんがふすま絵の制作を頼んだところ、岸本さんが快諾した。

 岸本さんは現地に足を運んで、作品のイメージを膨らませた。江戸時代に建てられた寺院と自然が織り成す景観に刺激を受け、「自然との融合と対峙(たいじ)」をテーマに掲げた。小さな習作を何度も試み、構想を練り上げていった。

 制作を始めたのは今年6月。普段はキャンバスに油彩画を描く岸本さんだが、今回初めて障子の鳥の子紙とアクリル絵の具を画材にした。岸本さんは「日常の制作の延長にありながら、異質で刺激をもらった」と振り返る。

 8月上旬に完成したふすま絵は1組4枚(縦176センチ、横383センチ)で、計4組。まだら状に塗ったパステルカラーの上を青や黒、茶色の細い直線が走る作品のほか、黒と淡い黄色をしま状に塗った対比がユニークな作品などが収められた。

 平出さんは「個性的な作品が当たり前にある風景を生み出してくれた。青垣町や遠阪に来てもらうきっかけになれば」と喜ぶ。岸本さんは「作品をきっかけに、ポジティブで豊かな気持ちになってもらえたら」と話していた。

 参拝、観覧には予約が必要。同寺TEL0795・88・0245

■岸本さんの作品、ストライプが特徴的

 岸本吉弘さんの作品の特徴は、抽象的な「ストライプで構成される絵画空間」。

 岸本さんはジャクソン・ポロックら、戦後アメリカ美術の成果を受け継ぎ、独自の発展を試みる実力派として注目される。今回手掛けたふすま絵について「具体的に説明できる表現は用いていないが、自らのイメージの母体を描いてみた」と話す。

 岸本さんは1968年、神戸市長田区出身。実家が文房具店で、画材が身近にあったことから、自然と絵画や工作に興味を持つようになった。東京の武蔵野美術大学に進学後、本格的に展覧会への出品をスタートさせた。

 岸本さんは、ニューヨークやロンドンでの制作活動を経て、県芸術奨励賞や神戸長田文化賞、神戸市文化奨励賞などを受賞。手掛けた作品は、国立国際美術館や大原美術館、パナソニック本社、神戸市などに収蔵されている。

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