これはもしや、骨だけになった妖怪「からかさ小僧」の群れ? などと、奇妙な妄想が浮かんだ。
兵庫県丹波篠山市垣屋の農地。黒いビニールシートを張った畝に、高さ1メートル足らずの不思議な物体が林立する。一つ一つは、閉じた傘にも似た形状。骨を連想させるような、たくさんの白い棒状のものが円すい形を描く。
畑だけに、何かの作物が枯れ果てた姿だろうとは想像したものの、正体を聞いて驚いた。
なんとパパイアだった! 南国の果物のイメージが強いが、丹波地域にも畑があったとは。地元の農事組合法人「なちゅらるはーもにー」が数年前から栽培。約300本。昨年の夏には高さ2メートルを超え、青々と葉を茂らせていたそう。秋に青パパイアを収穫し、神戸などへ出荷。冬場の霜でうなだれ、枯れて、たくさんの枝が垂れ下がり、目の前の珍景が出現した。
実は、青パパイアの炒め物は、沖縄旅行で初めて口にして以来、好物の一つ。ちょっとジャングルめいた夏の畑を撮影するため、数カ月後の再訪を誓った。(堀井正純)
