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化石発掘体験で指導員に化石かどうか調べてもらう子ども=丹波市山南町上滝
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化石発掘体験で指導員に化石かどうか調べてもらう子ども=丹波市山南町上滝
化石発掘体験を楽しむ親子=丹波市山南町上滝
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化石発掘体験を楽しむ親子=丹波市山南町上滝
一般参加者が割った石。小さい方の石にある白い筋が古代のカエルのものとみられる化石=丹波市山南町上滝
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一般参加者が割った石。小さい方の石にある白い筋が古代のカエルのものとみられる化石=丹波市山南町上滝

 丹波竜の発掘現場近くにある交流施設「元気村かみくげ」(兵庫県丹波市山南町上滝)の「化石発掘体験」で、一般の参加者が見つけた化石が累計8千個を突破した。丹波地域に広がる地層・篠山層群で発見された化石は約5万点で、15%以上を占める計算。篠山層群に眠る化石の豊富さだけでなく、住民のまちづくりに対する努力の結果でもある。(那谷享平)

 3月のある日曜日、篠山川沿いにある「元気村かみくげ」に、親子連れが金づちで小石を打つ音が響く。子どもが差し出した小石の断面を、指導員が虫眼鏡で確かめる。

 「お、化石だな」「やった。すごい」。同県川西市から訪れた小学1年の谷本稜君(6)は、カエルの骨を発見して跳び上がった。父尚也さん(48)も「化石のレプリカを探すものだと思っていたが、まさか本物とは。自然の中から子どもが得るものは大きいと思う」と興奮した様子だった。

 丹波竜の化石は2006年、約1億1千万年前の地層から見つかった。恐竜化石を生かしたまちづくりの機運が高まり、市の補助を受け09年に元気村が完成。地元住民らが週末と祝日を中心に発掘体験を催している。11年には企業組合「元気村かみくげ」を立ち上げ、運営している。

 あくまで調査の一環という位置付けで、兵庫県立人と自然の博物館(三田市)による試験に合格した地元ボランティアたちが指導員を担う。見つかるのは恐竜の骨片や牙、爬虫(はちゅう)類などの化石だ。

 1回の体験に30人ほどが参加する。見つかる化石は数点。指導員が回収して元気村で一時展示した後、同博物館へと送られる。正式な鑑定で化石と確定すれば、希少性の高いものから同博物館が研究する。

 篠山層群の調査に携わる同博物館の池田忠広主任研究員は「これだけの頻度で動物の化石が出るのはすごいこと。指導員が確かな目を持っていることが大きい。住民とこれだけ連携できている例は、全国でも珍しいと思う」と語る。

 体験を主催する企業組合の理事で、指導員でもある常岡芳朗さん(72)=丹波市=は「子どもが化石を見つけて喜んでくれると自分もうれしい。指導員の後継者づくりなど課題もあるが、この地域で貴重な化石が出るということを発信し続けていきたい」と話している。

     ◇     ◇

■岩砕を活用 恐竜の歯発見も

 丹波篠山市と丹波市にまたがる篠山層群では、これまで6カ所の化石の産地が確認された。交流施設「元気村かみくげ」近くの発掘現場は「山南町上滝第1」(丹波市)と呼ばれ、国内最大級の植物食恐竜である丹波竜や世界最小の恐竜の卵など、希少な化石が多数掘り出された。

 人と自然の博物館などによると、2006年の丹波竜発見に伴い、同館などが6年をかけ周辺を調査してきた。大規模な発掘では「岩砕(がんさい)」と呼ばれる岩の塊が出てくるが、断面や中身が調べ切れないのが実情だ。

 発掘体験では、こうした岩砕が使われる。過去には、一般の参加者が恐竜の歯やカエル類の骨格など、貴重な化石を見つけたケースもある。丹波竜近くの岩砕は残りわずかとなり、今後は卵化石周辺に移すことも検討中だ。

 同館の久保田克博研究員は「元気村かみくげに携わる地元住民たちには、県の発掘調査にもボランティアで協力してもらっている。研究を進める上でも、地域活性化を図る上でも、欠かせない存在」と語る。

 元気村以外でも発掘体験の出張イベントや、地元小学校の授業で岩砕が活用されている。(那谷享平)

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