天目カエデの青葉が茂る兵庫県丹波市青垣町桧倉の高源寺で、恒例の「風鈴祭り」が始まった。風が吹き抜けるたび、約３００個の風鈴が奏でる軽やかなハーモニーが参道に響く。参拝者は音色に耳を澄ませたり、写真に収めたりしながら、ひとときの涼を楽しんでいる。

　紅葉で有名な同寺に夏も訪れてもらおうと、寺の総代らでつくる「高源寺保存会」が２０１２年から始めた。１８、１９年は催されなかったが、新型コロナウイルス感染拡大で疲弊した心身を癒やしてもらおうと２０年に復活した。

　風鈴には、地元住民らが寄せた短冊が下がっている。「風鈴の音に包まれて高源寺」といった俳句や「世界平和」などの願い事、中には「クマ・シカ・イノシシ何とかして～！」と、自然豊かな地域ならではの訴えも。

　昨年も訪れたというデイサービス「りんどう」（同市青垣町沢野）の利用者ら１７人は、「すがすがしい」「風流があっていいね」とご満悦。スタッフの女性（５６）は「縁側で過ごした夏を思い出すと、利用者さんにも好評。厳かな雰囲気がいいですね」と話した。

　無料。８月２７日まで。午前８時～午後５時。市観光協会ＴＥＬ０７９５・８２・９１２３

（真鍋　愛）