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丹波市柏原地域の古墳の調査報告書を発行した東昭吾さん。奥は新たに発見した古墳時代中期のものとみられる「妻ヶ谷1号墳」=丹波市柏原町南多田
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丹波市柏原地域の古墳の調査報告書を発行した東昭吾さん。奥は新たに発見した古墳時代中期のものとみられる「妻ヶ谷1号墳」=丹波市柏原町南多田
今回の調査で新たに見つかった埴輪片や須恵器の高坏(たかつき)片=丹波市柏原町南多田
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今回の調査で新たに見つかった埴輪片や須恵器の高坏(たかつき)片=丹波市柏原町南多田

 兵庫県丹波市内の古墳を調べている考古学愛好家の東昭吾さん(52)=京都市南区=が、氷上、春日地域に続いて柏原地域の調査を終え、報告書を発行した。5世紀前中期に築かれた古墳など、今回新たに205基を発見。測量で市内最大規模の古墳も確認した。(谷口夏乃)

 東さんは丹波市市島町出身。2020年1月から、地形を立体で表した地図などを使って、古墳が見つかりそうな尾根などに狙いを定め、調査を続けている。これまで氷上、春日地域あわせて約750基の古墳などを見つけ、現在は山南町を調べている。

 柏原地域は21年3月から約1年をかけて調査。新たに205基を見つけ、県教育委員会の調査で報告されていた187基を加えると、計392基になった。同市柏原町柏原の「おさんの森1号墳」は測量の結果、少なくとも全長67メートルあり、市内最大の前方後円墳だったことも分かった。

 また、今回の調査で新たに発見した同市柏原町南多田の前方後円墳「剣爾山(けんじやま)1号墳」(全長28・5メートル)は、後円部に比べて前方部が小さく短いことに加え、前方部のくびれ部分から端先までが直線状であることなどから、古墳時代前期(4世紀)の可能性が高いという。さらに、直径27メートルの円墳「妻ヶ谷1号墳」(同市柏原町南多田)は、採集した埴輪(はにわ)片から5世紀前半から中頃のものと推定されるという。

 柏原地域では、東さんの調査以前に、県内有数の大型横穴式石室である「藤ノ目4号墳」(同市柏原町東奥)が見つかっており、5世紀後半には地域を代表する勢力がいたと推測されている。これを踏まえ、東さんは報告書で「(5世紀前中期の古墳が見つかったことは)後期以前にも複数の有力集団が存在した可能性が高まった」と記している。

 報告書は市内の各図書館や柏原地域の各小中学校に、埴輪片などの採集遺物は市教委に、それぞれ寄贈する予定。

 「兵庫県丹波市古墳分布調査報告書3-柏原町域」はA4判、168ページ。古墳分布図付きで1冊2200円。購入は「六一書房」(東京都)のウェブサイトから。

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