篠山鳳鳴高校インターアクト部員たちが観光ガイドを務める日帰り旅行ツアーが、兵庫県丹波篠山市内であった。高校生らは事前に国史跡・篠山城跡や城下町などの見どころを調べ、行程も自ら考案。クイズを織り交ぜた町の散策やデカンショバンドのステージなどで、旅行客をもてなした。（那谷享平）

　神戸新聞旅行社が主催し、同部が協力。同社によると、高校生によるガイドツアーは赤穂高校と社高校も取り組んでおり、丹波篠山市では初めてという。

　１２日にあったツアーには、神戸、阪神地域から観光客１０人が参加した。内容は、河原町妻入商家群の散策▽里山工房くもべでランチ▽篠山城跡の見学▽大正ロマン館での買い物▽市民センターでの交流イベント－など。部員たちは、ガイドのため文化財に詳しい地元の人から歴史を学び、案内の予行演習もして臨んだ。

　午後に訪れた同城跡では、東馬出（ひがしうまだし）から天守台までを観光客と歩き、石垣の特徴や、天守台から見える景色などを解説。「石垣には紋が刻まれています。探してみましょう」と参加者を誘ったり、「お手洗いは大丈夫ですか」と気遣ったりして、快適なツアーを心がけていた。参加者からは「若いエネルギーももらえた」「よく準備してくれている。説明を聞いて勉強になる」と好評だった。

　バスでの移動中にも、地元の方言や難読地名をクイズで紹介するなど、飽きがこないよう工夫を凝らした。ツアーの最後には市民センターで、部員らがデカンショバンドの生演奏を披露。参加者がその日の思い出をつづった文章で即席の歌詞を作り、参加者を感激させていた。

　２年の木村友星さん（１７）は「まちのどの魅力を伝えるか、絞り込むのが難しかった。『楽しかった』と言ってもらい、うれしい」。２年の田中邑奈（ゆうな）さん（１７）は「『緊張しい』なので人前で話すのは苦手だったが、お客さんの優しい言葉に助けられた。いろいろ調べる中で身近な歴史に興味を持てた」と話した。