兵庫県丹波市産の野菜をふんだんに使った冷凍ピザをネット販売してきた「丹波ＰＩＺＺＡ　ＫＩＴＣＨＥＮ　のこのこ」が、同市春日町野上野に実店舗を構えた。朝どれの季節野菜などを特製生地に載せ、５００度近い高温の窯で焼き上げたピザは「ふわっ、さくっ、もちっ」の食感。店主の宮田知恵子さん（４１）は「新鮮野菜のうまみが詰まった熱々のピザをゆっくり味わってほしい」と話している。

　店名は、出店した地名「のこの」と、都会からのこのこやって来たことを掛け合わせ「のこのこ」とした。「響きがかわいいでしょ」と宮田さん。

　大阪府豊中市出身。長男がアトピー性皮膚炎を発症し、生活環境や食生活を改善しようと、２０１２年に家族で移り住んだ。

　趣味でパンやピザを焼いていたが、イタリア料理店などを営む兄の影響で、昨年２月から冷凍ピザを販売。「丹波マルゲリータ」や「丹波黒豆カスタード」など９種類を全国に届けている。

　家族を温かく迎え入れてくれた地元の人たちに恩返しをしようと、自宅の納屋を改装し、昨秋オープン。「ＰＩＺＺＡランチ」（税込み１５４０円）では、前菜プレートと、「マルゲリータ」か「自家製ベーコンの季節の野菜ピザ」のどちらかを選べる。使っている野菜は、ほぼ丹波市産だ。

　前菜には、ベビーリーフやラディッシュなどのサラダのほか、自家製のピクルス、野菜のポタージュに自慢のフライドポテトなどが並ぶ。

　イタリア産と北海道産の小麦粉をブレンドしたピザ生地は、絶妙な食感と香ばしさが特徴。マルゲリータには地元産のプチトマトとバジルをトッピングした。季節の野菜ピザは、１０日間塩漬けし、燻製（くんせい）したベーコンと、ケールとブロッコリーを掛け合わせた地元野菜「ケロッコ」、コーンをオリーブオイルとガーリックで炒めた一品。ホワイトソースとほどよく味が絡み、次々と口に運びたくなる。いずれも直径約２８センチで、食べ応えは十分だ。

　営業は火曜日と水曜日の午前１１時～午後４時半。ランチは午後２時までで、以降のカフェタイムでは、季節限定の「いちごピザ」（税込み１６００円）などがある。ＴＥＬ０７９５・８６・７０９２