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篠山小学校の講堂に残る「2594」の数字。城跡を訪れた観光客から時折、学校へ問い合わせがあるという=丹波篠山市北新町
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篠山小学校の講堂に残る「2594」の数字。城跡を訪れた観光客から時折、学校へ問い合わせがあるという=丹波篠山市北新町

 「2594」。国史跡・篠山城跡(兵庫県丹波篠山市北新町)の天守台から、三の丸にある篠山小学校を見下ろすと、木造校舎の赤褐色の屋根の間に、4けたのアラビア数字が見えた。はて、何を意味するのか? 講堂の壁に掲げられた謎のナンバーだ。

 公団の大規模団地などには、「7-18」といった「住棟番号」が振られているが、校舎のナンバリングではない。実は講堂の起工年なのだという。

 もちろん西暦ではない。「日本書紀」に記された神武天皇即位の年(紀元前660年)を元年とした「皇紀(紀元)」である。

 皇紀2594年は西暦1934(昭和9)年。6年後の1940年には日中戦争中であったが、展覧会や体育大会など「紀元2600年」を祝う記念行事が全国で催された。戦後は、天皇制と深く結びついた皇紀はほとんど使われなくなった。

 終戦から間もない時期に篠山小に通った卒業生の男性(78)は「2594が皇紀だと在校時に教えてもらったが、GHQ(連合国軍総司令部)の目もあったのか、深く触れられることはなかった」と記憶をたどる。

 戦後、軍国主義などにまつわるものは、ほぼ廃止、排除されたが、「この年紀がなぜ撤去されることなく残ったのか?」。いまでは、学校関係者でも知る人はないそうだ。

 今年、2023年は皇紀2683年。篠山小は創立150周年を迎える。「2594」の数字もまた、学校の長い歴史の一部ではある。

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